内容説明
魔女狩りの嵐が吹き荒れる15世紀から、「魔術」と「科学」が分岐する17世紀、その結果として「非理性」が噴出を始める18世紀を経て、ベートーヴェンの《第九》で開始され、ヴァーグナーの《ニーベルングの指環》を生み出す19世紀、そして「非理性」を特異な形で先鋭化させたナチスを登場させた20世紀へ──。第一級の精神科医が放つ、500年間に及ぶヨーロッパ精神史!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
19
沖縄で開業する現役の精神科医による人類史の中の「天才」の病跡学として読む。ヤスパースが唱えた「枢軸時代」という創造的才能が世界で同時多発的に出現する現象を下敷きにして、ブッダ、孔子、ソクラテスなどが出現した紀元前の第一次枢軸時代に対して、ダヴィンチからモーツァルトに至るルネッサンスを「第二枢軸時代」とし、非理性がラプトゥス(暴発)する19世紀末のヴァーグナー、ニーチェ、ゴッホらの出現を「反枢軸」と観る。どの天才にも「癲癇/ヒステリー/緊張病」の夢幻的な生命態様を見い出すと繰り返し記述されるのに耐える読書。2018/11/06
またの名
10
知人女性やシューベルトまでをも圧倒して取り込み「こんな気ちがい曲を聴かすな!」とゲーテを激昂させた、非理性が渦巻く巨大なエスの化身として描かれる旧支配者風ベートーベン像が色々とヤバイ。全地球の全人類精神を一気に稲妻のように照らし出す「人類の星の時間」にエスの混沌としたデュオニュソス的な非理性の霊感が天才という形で凝縮して噴出する、との仮説というか妄想紙一重の理論を採用してる書なので、普通の精神医学本では味わえない視点で偉人たちの歴史を眺められる。二世代くらい前のパラダイムを思わせる文体は人を選ぶ。かなり。2019/04/14
袖崎いたる
4
天才になるために、狂人に倣え。2019/03/18
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