文春e-book<br> VRは脳をどう変えるか? 仮想現実の心理学

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VRは脳をどう変えるか? 仮想現実の心理学

  • ISBN:9784163908847

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内容説明

◆心理学×テクノロジー、仮想現実の最前線◆

・VR内での体験を、脳は現実の出来事として扱ってしまう
・VR内で第三の腕を生やしたり、動物の身体に“移転”しても、
脳はすぐさまその変化に適応し、新たな身体を使いこなす
・イラク戦争後、“バーチャル・イラク”を体験するVR療法により、
PTSDに苦しんでいた二〇〇〇人以上の元兵士が回復した
・VRで一人称視点の暴力ゲームをプレイすると、
相手が仮想人間だとわかっていても生々しい罪悪感を覚える
・仮想世界で一日過ごすと現実と非現実の違いがわからなくなる
・VRユーザーの身体や視線の細かな動きは、正確にデータ化できる
・そこからその人の精神状態、感情、自己認識がダイレクトに読み取れる

【目次】

■序 章 なぜフェイスブックはVRに賭けたのか?
■第1章 一流はバーチャル空間で練習する
■第2章 その没入感は脳を変える
■第3章 人類は初めて新たな身体を手に入れる
■第4章 消費活動の中心は仮想世界へ
■第5章 二〇〇〇人のPTSD患者を救ったVRソフト
■第6章 医療の現場が注目する“痛みからの解放”
■第7章 アバターは人間関係をいかに変えるか?
■第8章 映画とゲームを融合した新世代のエンタテイメント
■第9章 バーチャル教室で子供は学ぶ
■第10章 優れたVRコンテンツの三条件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

176
まあまあ。VR(仮想現実)の第一人者にして心理学などを研究している著者が、「現状のVRではどんなことができるのか?」「VRは人間の認知にどんな影響を与えるのか?」ということをまとめている一冊。かなり進歩したとはいえ、まだ一般化していない技術である以上、結論が出たとはいいにくい。ただ、AIを研究すると「人間とはそもそも何か」に考えが行き着くように、VRを考えると、結果として「人間がどのように人とコミュニケーションをとっているのか」というところに行き着くのは興味深い。2019/04/06

ミライ

41
VRについて、脳科学の視点からその危険性・優位性を語った一冊。ファイスブックが「オキュラス」を買収してVRに賭けた理由、NFLの一流選手はすでにVRを練習に取り入れている現実、VR暴力ゲームの危険性、教育・医療分野でのVRの優位性など、すでに一部ではスタートしているVR産業の未来が語られる。「VRには興味あるけど映画・ゲームだけでしょ」と思っている方は、VRの多様性に気付けるきっかけになると思うので、ぜひ一読してもらいたい。これまで読んだVR系の書籍の中では一番面白かった(しかも読みやすい)。2019/09/19

Miyoshi Hirotaka

32
文字の考案により知識が保存され、本が巻物から冊子になったことで音読から黙読へ移行。さらに目次や索引が付いたことにより、拾い読みが可能になり、批評が生まれ、多様な思想が誕生。写真の誕生は絵画芸術に影響し、印象派やキュビズムを生んだ。これらの技術革新により私たちの脳も変化し、思考や表現も大きく変わった。仮想現実の技術はこれらに匹敵する変化をもたらすことが確実視されている。一方、思想の多様化により社会の分裂が生じたように、仮想現実の技術も負の変化を伴う。いずれにせよ大変革を同時代に生身で味わう段階に来ている。2019/05/15

Kentaro

21
仮想世界に長く居過ぎると感覚器官への負担が過大になる恐れがある。現実とVRの混同は、とりわけ子供に起きる危険である。短時間の集中使用でも起きる可能性がある。よく知られるように、幼い子供はニセモノの記憶を作りやすい。我々のラボでは2008年、幼稚園から小学校低学年までの子供を対象とした実験を行い、仮想世界と現実世界での経験をどの程度きちんと分けて認識できるかを調べた。例えばクジラと一緒に泳ぐVRを経験させた子供の多くは、自分が実際にシーワールドに遊びに行ってシャチを見たのだというニセモノの記憶を作っていた。2018/11/11

shikada

18
VRが今後、医療や教育、コミュニケーションのあり方を大きくアップデートしていく展望を解説する。アメフト選手がVRを用いたシミュレーションで成長したり、怪我した手足のリハビリにVRが役立ったりと、VRの効用はエンタメだけでないことが分かって面白かった。フェイスブックが、VRの将来性を買ってOculasを買収したエピソードが載っていて先見の明を感じた。2019/03/06

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