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内容説明
2018年3月、安倍晋三総裁率いる自民党は「九条二項を維持した上での自衛隊明記」という改憲案を発表した。戦後初の改憲発議が目前であるのに、中身はあまりにも短絡的でお粗末な構想と言わざるをえない。民意をないがしろに横暴を続ける政権への対案として、国民の意思で真に権力を縛るための憲法改正、2015年安保法制時に議論された立憲主義を取り戻す「立憲的改憲」を今リベラルの側から提起し、気鋭の論客とともに自衛権、安全保障、統治機構、違憲審査、改憲そのものの作法など多方面から吟味する。
目次
はじめに──「憲法」をめぐる7つの小旅行
序章 「立憲的改憲」とは
第1章 自民党改憲案の急所(阪田雅裕 対談)
第2章 その改憲に理念はあるのか(井上武史 対談)
第3章 「歴史の番人」としての憲法(中島岳志 対談)
第4章 日本に“主権”はあるか?──九条と安全保障(伊勢崎賢治 対談)
第5章 求められる統治構造改革2.0(曽我部真裕 対談)
第6章 国民を信じ、憲法の力を信じる(井上達夫 対談)
第7章 真の立憲主義と憲法改正の核心(駒村圭吾 対談)
おわりに──対案としての条文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
11
国会で安倍晋三首相(当時)に鋭い追及をしていた著者の憲法というか政治についての思いが述べられている。改憲というと、統制されるべき権力側から主に戦争の道を開くために提起されるものというのが現代日本の常識であるとするなら、それは大きな間違いだし、解釈で憲法をどんどん変えていってもいいことは全くない。個人的には、自衛隊も自衛のための戦争も違憲だと思うのだが、戦後日本の政治的流れを見ると日本国憲法は完全でなく、立憲的にきっちり変えていかなければならないということなんだろう。著者も色々風評はあるが、それに惑わされて2022/01/30
makio37
9
自分の中の改憲に対する認識を大きく変える読書となった。武力として個別的自衛権のみ行使できる旨を明文化し、内閣の行動や法案を裁く憲法裁判所を置く。著者のこの提案についての7人の専門家との対談を読むうちに、自分が護憲で思考停止していたことを思い知った。そして、この案を議論の俎上に載せなければ、<9条2項削除の石破案>と<護憲>の間に挟まれた危険な安倍加憲案が"中庸"として選ばれてしまう恐れを感じた。また、互恵性の観点で日米地位協定と憲法の議論がセットであるとの認識も、本書で得ることができた。2018/09/01
忽那惟次郎8世
7
対談終了が2018年6月19日 私が読み始めたのが2019年9月 実に7年間かけて、途中放り投げていた時期もありますが 全ページ読了しました。 当時は安倍政権で憲法改正を東京オリンピックと絡めてやろうとしていた時期 衆議院の立憲民主党も存在せず 当時と状況は異なるが 今、高市政権が憲法改正を目論んでいる現在 読むべき一冊だと思う。 そもそも日本国憲法はいちいち細かいことは書かずに 慣例や慣習 不文律を重んずる すなわち保守の思想に裏打ちされていた それが 安倍政権登場により 著者は立憲的改憲論に目覚める2026/05/26
さんこん
6
山尾氏と1人ずつが対談するため、山尾氏の考えが何回もループする部分があるため少し退屈になる部分があったが彼女の考えには理解示せた。しかし党内がこの考えでまとまるかは疑問。いまだ護憲肌が強いと思うのだが…色々考えさせられたし、主権者たる我々も考えなければならない問題なのだか、最終的には国際社会との問題までを考えての結論は出せないと思う。ただ、最低限軍隊として認めた上で統制しなければならないとは思う。しかしこれだけ多くの課題がある中で簡単にやってしまおうって本当に主権者はバカにされてるなと思った。2018/11/12
pb_lack
4
山尾氏の権力(9条による自衛権)の行使を制限する立憲的改憲案をベースに対談者の見解を問う形式。憲法裁判所と9条3項以下に例外的な規定を設けるのが主な案だが、特に後者についてはあまり試みが成功しているようには感じられなかった。他で見聞きしていたがピンとこなかった伊勢崎氏の論がこの対談でよく理解できたこと、9条関連は人権問題ではなく統治機構の問題であること、制度において民主的正統性をどう確保すべきか、まず法律で定めるべきことが多いこと、というあたりは参考になった。2019/05/21
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