水田マリのわだかまり

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水田マリのわだかまり

  • 著者名:宮崎誉子【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 新潮社(2018/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103008538

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内容説明

高校を3日でやめて働き始めた16歳のマリ。殺伐とした洗剤工場の閉塞感の中で、ストレスがほこりのように積もっていく。だけど、ウップンと不満は、生きるのに欠かせないガソリンだ。低賃金労働の現場といじめ、外国人労働者、毒親、そして介護の問題を独特の文体でリアルに描く平成のプロレタリア作家待望の新作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

63
頭の奥の方では、共感しているのだけど、どこか遠い世界の物語かなとも思っている。面白いとだけ読み過ごしてはいけない、現実の等身大の姿だと思う。表現は様々。著者は、とても難しい世界をいかにもおもしろおかしく描いている。どっこい逞しく生きているぞ!そんな気概にニヤリ。2018/04/09

野のこ

61
初読み作家さん。口は悪いけど内気で真面目で毒を感じた。工場内の様子とかリアルすぎて経験談!?かと思ったらあとがきでやっぱりそうだったみたい。あと2話目は介護のお話で作者自身も両親を介護されてたそう。じわじわと真に迫る文体は時にガラが悪いけど独特で新鮮でした。「笑う門には老い来る」は愛も感じられて良かったです。「水田マリのわだかまり」はラストにようやく彼女のわだかまりがわかって良かった(笑)体温を感じない表紙のマリちゃんが印象に残りました。上手く言えないないけど実は奥が深い気がする。2018/09/04

itica

51
石鹸工場内の作業工程の緻密な描写は経験に基づいたものなのかな。かなり詳細に書かれている。2編目の年老いた両親を目の当たりにして、不安や苛立ちを感じる娘も、やはり経験から書かれたようだ。いじめの問題が出てくるが、それは子供の世界特有のものではなく、社会人になっても存在するし、老後に関しても、誰でもが必ず直面する問題だ。それを日常から切り取るように描かれているが、いざ感想を・・と思っても取り立てて何も浮かばない。会話の言葉遣いがちょっとユニークだけど、淡々と読んでしまった感じかな。 2018/04/01

千穂

45
高校を3日で退学し町の洗剤工場で働く水田マリ。ある意味お仕事小説。マリの背景はなかなかハードかつ複雑。職場の人間関係、女性が多いだけに大変そう。小さな町にある工場だったりすると知り合いも多そうやし。マリが再び進学を決意したのは嬉しかった。若いからまだやり直し出来るよと応援したくなる。母目線だな。2018/10/08

おかむら

44
表題作は16歳高校中退の子が洗剤工場で働く話。工場のライン作業って誰でもできる単純労働だと思ってたけど、煩雑多岐な工程&しちめんどうな人間関係に驚く! ここ読みどころ! 友だちが自殺したり親が宗教に走ったりと重めな設定なのになんだかオカシイ。会話文の言葉の選び方が愉快。好きだー。もう一編は、父が認知症で娘はイジメに合ってそうな中年女性の話で、こちらも重めなのになんだか笑っちゃう会話がとても好き。初読みの作家さんでしたがすごく好みのタイプだ。2018/08/16

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