内容説明
疾走する馬に乗ったまま的に向かって矢を射る“流鏑馬”がさかんな青森県十和田市。そこに住む弓道部の舞衣子は、東京からやって来た同級生で、元・弓道の国体選手の美鶴に入部を勧めるも断られてしまう。実は美鶴は、四年前に桜流鏑馬で優勝した舞衣子の雄姿に憧れ、流鏑馬をやるために十和田に来ていたのだった。「一緒に流鏑馬をやろう」と言う美鶴だが、舞衣子にはあるトラウマがあって??。流鏑馬に挑む女子高生ふたりの爽やかな感動青春ストーリー！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
76
青春してますねえ。 青森は流鏑馬ができるんですね。 充実した高校生活でうらやましい。 映像に向いてる。TVとか。2021/07/02
佐島楓
66
流鏑馬という題材が珍しく、手に取った。弓道も流鏑馬のシーンも、臨場感があり、よく取材されている。主人公である舞衣子の心の葛藤と後悔は、ちょっと涙が出るような内容だった。女子高生なりの悩みにも共感できたし、読んでよかったと思う。2018/08/17
ami＊15
55
落馬によって大ケガを負ったこと、その時にパートナーの馬もケガをしてしまい死なせてしまったことから一度流鏑馬をやめてしまった舞衣子。しかし舞衣子がきっかけに流鏑馬を始めた美鶴の存在や乗馬クラブでナナと出会ったことが「流鏑馬をやりたい」という彼女の思いを蘇らせる。流鏑馬という題材が珍しいと思いつつ、人間以外の生き物の命のことやどんな状況でも人は必ず変われるということも描いたなかなか深い良作でした。それぞれ過酷な現実を抱えながらも自分なりの流鏑馬に挑む2人の流鏑馬ガール。彼女たちの更なる成長がとても楽しみです。2018/11/02
ぶんこ
49
小学生で流鏑馬で優勝経験がありながら、落馬事故以来馬から遠ざかっていた舞衣子さん。中学で弓の国体選手だった美鶴さん。2人が流鏑馬に真摯に立ち向かう姿が胸を打つ。それぞれが抱える苦悩。お互いに知る事のない苦悩での空回りが読んでいると辛い。苦悩の中身を思うと安易な慰めもできないでしょう。周囲の人たちも辛いでしょう。でも2人は強かった。そして馬たちも！なんて健気で可愛いことか。直ぐにでも馬のそばに行きたくなりました。とても面白かったです。2020/09/12
よっち
42
流鏑馬がさかんな青森県十和田市に住む弓道部の舞衣子が、東京から転校してきた元・弓道で国体選手だった美鶴と出会い、かつて一度は諦めた流鏑馬に共に挑む青春小説。弓道部入部を断って流鏑馬に挑む美鶴と、最初は過去のトラウマに逡巡しつつも弓道部と掛け持ちで再び関わるようになってゆく舞衣子。真摯に取り組む美鶴に感化されて、複雑だった流鏑馬への想いが変わってゆく舞衣子は、ぶつかり合いながらもお互い刺激しあえる良いライバル関係で、そんな二人が葛藤を抱えながらも流鏑馬に向き合い挑んでいく展開にはぐっと来るものがありました。2018/09/25
