内容説明
息子が嫁に刺された―― そんなショッキングな一報をうけた母親の「私」は、現場へとかけつける。そこで待ち受けていたのは、想像を絶するような事態だった。周到な計画によって殺された息子、奪われた孫たちと持ち家、おかしな言動を繰り返す嫁の実家側、いわれのない「DV」疑惑……。暴力団の黒い影が見え隠れする中で、被害者の両親は必死で真実を探り、法廷で戦う。広島で実際に起きた事件をもとにした、迫真のドキュメンタリー小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
n75
3
普段事件のルポは読むことが多いが、これはあくまでも被害者家族の手記ということなので、やはり主観である、ということを踏まえて読むべき本でした。ルポがいかに中立的な立場で書かれているか(物にもよりますが)ということが分かった気がします。加害者家族が、でっちあげ事件のモンペのような結構めちゃくちゃな家族だったので暗澹たる気持ちになったし、悪い弁護士に当たってしまったのも何故…とやりきれない。しかし嫁の悪行や家族の悪い噂をうすうす耳にしていたのであれば、予見はあったということで、いろいろ残念な事件だった。2017/02/11