内容説明
過酷な断食を繰り返して痩せさらばえた行者が、自らの身を地面に沈め、「土中入定」を果たす。かつて、自らがミイラ化することで、衆生の救済をめざした僧侶たち、すなわち即身仏がいた――。
現在、全国で確認されている即身仏をほぼ網羅する全18体を訪ね歩いた、異色の紀行文。それぞれのミイラ仏にまつわる伝承に加え、即身仏を守り継ぐ人々、信仰する人々の声を丹念に取材した。1996年刊行の『日本のミイラ仏をたずねて』に、宗教学者・山折哲雄氏の「出羽三山即身仏考」を新たに収録。現代即身仏研究の定番書となる一冊。
〈収録寺院・即身仏〉
◎茨城県岩瀬町妙法寺・舜義上人 ◎福島県浅川町貫秀寺・弘智法印宥貞 ◎宮城県白石市萬蔵稲荷神社・萬蔵 ◎山形県米沢市松本茂方・明海上人 ◎山形県白鷹町蔵高院・光明海上人 ◎山形県朝日村大日坊・真如海上人/注連寺・鉄門海上人 ◎山形県朝日村本明寺・本明海上人 ◎山形県鶴岡市南岳寺・鉄竜海上人 ◎山形県酒田市海向寺・忠海上人/円明海上人 ◎新潟県村上市観音寺・仏海上人 ◎新潟県鹿瀬町観音寺・全海法師 ◎新潟県寺泊町西生寺・弘智法印 ◎新潟県柏崎市真珠院・秀快上人 ◎長野県阿南町新野・心宗行順大行者 ◎岐阜県谷汲村横蔵寺・妙心法師 ◎京都市古知谷阿弥陀寺・弾誓上人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
cozy
3
即身仏のバイブル的な本の新装版。即身仏となった仏僧たちがどんな人だったのか、という部分も面白かったけれど、なにより即身仏を守っている人たち、代々守り継いでいる人たちとのエピソードがとてもよかった。信仰している人たちがいてこその即身仏なのだと感じさせられる。旧版から25年経ってのメモも楽しく読んだ。本文(旧版)で出てきた人たちが亡くなっていたり、震災によりお寺自体がなくなっていたりしているのが感慨深い。2018/10/03
志村真幸
1
本書は、山形を中心に全国の即身仏を取材したもの。米沢の明海上人、鶴岡・大日坊の真如海上人、同・本明寺の本明海上人、同・南岳寺の鉄竜海上人、村上の仏海上人、長野県阿南町の心宗行順大行者、京都・古知谷阿弥陀寺の弾誓上人、揖斐川町横蔵寺の妙心上人など、16ヶ所がとりあげられている。 即身仏になるまでの経緯、その後の歴史、現在のようすなどが、独特の語り口で紹介されている。写真も豊富。 あくまでもまじめに扱った本である。かといって学術書というわけでもない。ちょうどいい。 2019/03/14
m.neko
1
即身仏になる事を選んだ人の人物像や時代背景などを知る事ができる。富士山で即身仏になった人が存在した事など、知らない事もあったので興味深く読むことが出来た。今も即身仏を守っている人々がいる事に信仰の思いが伝わってくる。2018/10/31
コオロ
0
山形の即身仏が多数取り上げられているので、参考資料として購入。「おわりに」にあった「即身仏は、人は死んだらこうなるというのを見せてくれている」というのが何だか腑に落ちた。しゃれこうべを持って「ご用心」と言って歩いたというリアル一休さんの話を思い出す。2022/12/07
shrzr
0
十八体(現存しないものも含む)の即身仏を訪ねる旅であり、即身仏を守り、即身仏とともに暮らす人たちの物語でもある。「ドライブイン探訪」の味わい深さを思い出す。2021/01/04
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