内容説明
日本共産党の問題点、犯罪等を描いたルポはいくつかあるが、本書は思想としての共産主義について検証する。著者は民社党、民主党、自民党を渡り歩いた経験から、日本共産党の歴史や綱領のポイントをわかりやすく解説。また諸外国の社会主義政党、共産主義政党の事例を引いて比較検証する。共産主義批判の論点をコンパクトにまとめた一冊。
ロシア革命から100年経ったいま「共産主義とは何か」を考えることは、社会主義とは何か、保守主義とは何か、二十一世紀の日本の思想体系や政党政治とは何か、についてあらためて考えることでもある。思想に馴染みのない読者でもわかりやすいように、基礎から解き明かした入門決定版。
第一章 保守主義の起源、社会主義の起源
第二章 社会主義、共産主義、国家死滅論とは何か
第三章 史的唯物論の由来と誤り
第四章 日本共産党綱領の歴史的変遷
第五章 共産党は日本国憲法になぜ反対したか
第六章 欧米諸国での共産主義排除の歴史的変遷
日本共産党関係年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T坊主
11
すでに共産主義はソ連で消滅し、中国は資本主義の衣に共産主義の体。如何に共産主義の社会が自由がなく、階級闘争との名目でソ連で2000万、中国で7000万人が虐殺された。日本にも自分達が特権階級?を夢見て共産党員が30万人、支部が2万と。そして野党で選挙協力を目論んでいる。民主党政権で投票で懲りた人達がまた自民党のおごり、特権意識、金持ち、大企業優遇で反感を買い、野党政権が共産党主導で誕生しないように願いたいものです。2017/06/03
T坊主
9
中国では共産党がこともあろうに100?ファミリーが国を私物化して、搾取をしている。そして農民から土地を安く強制的に奪い、結託癒着業者に払い下げ莫大な利益を上げ、その金を香港やマカオでマネーロンダリングして、不動産、株、はたまた海外に進出したり、M&Aなど手掛けたりして再投資している。レーニンなどが言う理想の社会とは自分たちが儲ける為に、共産主義を利用しているに過ぎない。2017/06/04
kenitirokikuti
7
図書館にて。2017年刊行。著者は民社→民主→自民と移った、政務調査の職員、らしい。共産党が野党共闘を打ち出した頃の本なので、労組の容共を咎めるのが目的である。やはり日本共産党を甘く見るにしても、アメリカ帝国主義2022/06/18
れいまん
3
一気読み。諸問題が大事な論点が項目事によく纏まっているわかりやすいもの。 それにしても、日本が諸外国では憲法違反で正当化されない共産党が有るのが不思議。 統一戦線には注意ですね2022/05/30
ひらり庵
2
先進国(韓国を含め)で共産党を法的に警戒せず、むしろ躍進させているのは日本だけであること、日本には共産主義のシンパが意外と多いこと、それはヘーゲルの弁証法の考え方が日本人の嗜好に合っているからと指摘している。たしかに会議では、対立する2つの案をどちらか1つに絞ることは和を乱すので、両者の言い分を含んだ折衷案が好まれる。そのような発想が史的唯物論を支持し、共産主義思想の跳梁跋扈に関係しているとは夢にも思わなかった。2019/02/17