内容説明
両親の失踪で親戚たらい回しの子供時代からワル街道まっしぐら! 自ら飛び込んだ任侠稼業を思うところあって獄中離脱。出所後は、地元北九州で堅気の人生やり直しを心に誓うが前途は多難! 銀行口座開設、保険加入、賃貸契約もできない現実の厳しさ、受け入れてくれた地元人情のありがたさ……秘めた胸の内と「過去」を激白!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
51
一人の人間がマイナスからスタート(原文ママ)する告白を 受け止める気持ちでページを捲った。暴力団員は離脱後5年間は銀行口座の開設が出来ない事を含め、未知の内容が多かった。人生をやり直そうとしても、本当に厳しい状況は存在する。店の前に防犯カメラが設置され24時間監視される状況であったとしても、新しい一歩を踏みだし継続している人がいる事を知った。この人の作るうどんを食べてみたい。読了後、そう思ったのは事実だ。 2019/08/02
ばんだねいっぺい
35
過去を過去として、更生の道を選ぶ方は、必ず居るので、その人たちが生きやすい環境を社会の側がきちんと整備してほしいなと思います。2019/11/25
おかむら
32
犯罪社会学者でヤクザ関連の著書もある研究者による聞き書き。暴対法の問題点も指摘。うどん店始める話よりもその前のヤクザ時代や子ども時代のエピソードの方が断然面白い! 動物好きの組長さんのエピソードなんかたけしに映画化して欲しいわ。小倉という土地柄なのか、今どきの経済ヤクザじゃなくて古風な昔かたぎのヤクザの更生話でした。ドラマ化しそう。テレ東で。2018/08/23
アーちゃん
29
図書館本。北九州の暴力団工藤會の元幹部だったという中本さんへのインタビュー6章と、途中に北九州のヤクザ事情を筆者のコラム4編による構成です。親に捨てられたという生い立ちに、今も尊敬する亡き総裁とのやり取り、なぜ獄中でヤクザをやめたかなどを閉店後に語る中本さん。当然ながらかなり言葉を選んでいる節はありますが、その中で一番驚いたのが「元暴5年条項」。暴力団をやめても5年間は口座が作れず賃貸や保険の契約もできない。5年の根拠を調べても分からず。NHKの「ノーナレ」は未見なので、一度見てみたいと思いました。2019/01/15
Natsuko
23
犯罪社会学の博士が、極道30年、服役中に足を洗い地元でうどん屋を始めた男性の道のりを描く。家庭に恵まれず当然の成り行きのように極道の道を歩んだ中本さん。服役期間は11年に及ぶ。組内部のシステムや、極道あるあるは興味深く、刑務所では囚人の纏め役を任されたり運動会で刑務官のために必死になる姿も。読み物として面白いがそれだけでなく、暴力団離脱者の社会復帰の厳しさと理不尽さに疑問を投げかけている。2022/02/23
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