内容説明
将棋界の俊鋭・河辺真吾八段の愛娘が誘拐された。「身代金1000万円を軽飛行機から投下せよ」というのが、犯人の要求であった。折りしも河辺八段は、将棋最高位を賭けて不敗の名人と対局しなければならなかった。犯人追求の行方と勝敗の帰趨が絡み、異常なスリルを醸す、第12回江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
31
誘拐された家族の心情や将棋の心理戦をじっくり書きそうなものだが、次から次へと展開するスピーディーさと手数で勝負した作品。大胆な身代金受け渡し、誘拐犯が殺されていく裏切り、追い詰めたはずがスルリと抜けていく紙一重、とにかく読者の興味を持続させるため色々とやってくる。そのせいで将棋の対局はサスペンスのための添え物となっているのは否めない。犯人が分かるきっかけは単純だし、あまりに都合がよすぎるとは思うが、隠されたもう一つの犯罪と結びつくのは素直に面白いと思えた。2020/11/30
ヨーコ・オクダ
31
乱歩賞受賞作…とのことやけど、あんまりパッとしない。若手棋士の愛娘が大事な試合の前に誘拐される。犯人の指示、警察の指示に従って必要な役割はこなすものの、決して将棋を捨てない棋士。最高位戦に予定通りの日程、場所で順に臨んでいく。その間、警察対誘拐犯、棋士の義父も探偵役的な感じで犯人を追うストーリーが展開。この辺にスリルを求める読者にはちとつまらないかも。2時間ドラマ的、終盤の崖っぷちシーンでの告白の内容を知れば納得。人それぞれの父性愛そして母性愛との違い、みたいなんを斎藤センセは描きたかったのかな、と。2020/08/03
MIKETOM
6
第12回乱歩賞。名人位に挑戦中の棋士の一人娘が誘拐されたというストーリー。二人組の誘拐犯が二人とも殺され、しかも誘拐された幼児は行方不明。幼児が既に死亡ではストーリーになりえないからそのへんがメインの謎になる。なんせ昭和41年の作品だから現代の目から見ると作品の出来は平凡だけど、当時はそれなりに驚きの結末だったんだろうと思う。時代を考えれば悪くない出来かな。将棋のタイトル戦が謎にどう絡んでくるのか興味があったけど、結果的に無関係だった。でも面白さを盛り上げる要素としては十分に貢献してるね。まずまずです。2016/10/24
東森久利斗
2
棋譜? 微妙だなあ。同姓同名の人、知ってるだけに思いは複雑。2017/03/14
アヴィ
1
本作によって乱歩賞を受賞しデビューした作者は、将棋をテーマにしたミステリーを大量に書いたが、全ての始まりは本作。だが本筋の誘拐と将棋は特に関わりがない。タイトル戦中に娘を誘拐されたまま戦い続けなければというシチュエーションの設定だけ。警察の捜査もあり得ないレベルで温い。最後真相がわかってもあまりすっきりしない。2025/01/08
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