内容説明
広中平祐氏の自伝的数学啓蒙書です。「学問とは何か」「学ぶとはどういうことか」「数学とは何か」など、数学や科学するときの最も大切な基本姿勢を教えてくれる1冊。広中平祐氏が特異点解消問題を解決して、1970年にフィールズ賞を受賞した経緯にも触れられていています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
119
数学のノーベル賞とでもいうべきフィールズ賞を受賞されている広中先生の自伝と数学への思いを綴られたもので発表された時期は古いのですが、新しい装いで再刊されました。非常に読みやすくアメリカ留学時代のところは、小宮隆太郎先生(経済学)の岩波新書の「アメリカンライフ」を思い出しました。また大先輩であられる岡潔先生とのやり取りも楽しめました。2018/09/12
ねこ
107
1982年に書かれた本。著者は代数幾何学に於ける特異点解消でフィールズ賞受賞。京大名誉教授の数学者が語る「考えること•学ぶこと」…1人の人間の一生は「因縁」に支配され続けるものかもしれない。親から受け継いだもの、身近な友人から学んだもの、また幾度か試行錯誤することによって得た体験的知識などが、目に見えない塊となって自分の中に蓄積され「因」を作る。そして、その「因」が「縁」を得て、その人の志となり、行動となり、願望となり、道になっていく。生きている事は、たえず何かを学んでいる事でそれが生き様となっていく…。2024/03/26
まろにしも
18
他の読メの方もおっしゃっていたが、私がとても惹かれた文章は以下である。”一人の人間の一生は、あるいはこの「因縁」に支配され続けるのかもしれない。親から受け継いだもの、身近な友人から学んだもの、また幾度か試行錯誤することによって得た体験的知識などが、目に見えないかたまりとなって自分の中に蓄積され、「因」をつくる。そして、その 「因」が「縁」を得て、その人の志となり、行動となり、願望となり、道となっていく。”2020/01/05
けい子
17
数学者の書く本は難しいのではないかと思いましたが、数学者としての生き方や考え方が書かれていて、それが私の頭にはスッと入ってきた事が気持ち良かった。2024/05/05
ハチ
16
面白く読んだ。元気ある文章だった。自分の弱さをさらけ出せる強さがあり、今や死語になりつつある「根気」にみなぎっていた。岡潔とのエピソードもあり興味深く読んだ。努力をしようと力をもらった。2019/07/18
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