内容説明
古典を平易にわかりやすく。「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の古典新訳で活躍した作家たちによる古典講義。人気シリーズの第三弾は江戸のベストセラーと三大浄瑠璃を軽やかに紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
163
古典を現代語に訳した全集の中から、選りすぐりの作品を作者自ら解説した好シリーズ3作目。いとうせいこう の「曾根崎心中」が最高! 近松門左衛門が、1か月前に起きた心中事件を2週間で書き上げた名作。しかし、江戸時代に上演されたのはたった数回。幕府によって上演が禁止されていたのだった。それが昭和になって再評価、特に戦後の改作で歌舞伎や浄瑠璃の超人気作品となった。いとうは、この改作に疑問を呈す。近松の原作は、元祖ラップでありカウンターカルチャーのお手本だ、とも。頭韻・脚韻ふんだんな本物の浄瑠璃を聞きたくなった。2024/08/13
佐島楓
54
講演録。読む順番として、こちらを先に読むのはおすすめできない。欲求不満になるから。2018/07/10
kanata
21
『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』は分厚くてたじろいでしまったので、こちらを。「好色一代男」「曽根崎心中」「菅原伝授手習鑑」「仮名手本忠臣蔵」「春色児誉美」を各作家が読み訳した一部+読者による質疑応答。文楽や歌舞伎で観たことがない演目も、どこに惹きつけられるか各人の語りが楽しい。三浦しをん目的だったが、しをんさんの手書きの人物関係図が、とにかくすごかった!悪人善人の仕分けはナイスな視点である。松井今朝子の【浄瑠璃にかぎらず舞台芸術は死者の鎮魂を目的とした側面もあった(P148)】は頭にスッと入ってきた。2018/07/25
ドナルド@灯れ松明の火
19
古典の現代語訳をどう訳したかを5人の作家が語る。現代語訳の古典は掲載されていないので、訳する上で苦労・工夫した点が興味深かった。2018/09/11
ロア
17
古典の各作品がこの本一冊で読めるわけでは無いのね…勘違い(ノ∀`;)現代語訳を担当した皆さんが、分かりやすく作品解説をしてくださいます。島田さん、いとうさん、島本さんが良かったな。2018/09/10