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内容説明
雷神、酒呑童子、茨木童子、節分の鬼、ナマハゲ……古くは『日本書紀』や『風土記』にも登場する鬼。見た目の姿は人間だが、牛のような角を持ち、虎の皮の褌をしめた筋骨逞しい姿が目に浮かぶ。しかし、日本の民間伝承や芸能・絵画などの角度から鬼たちを眺めてみると、多彩で魅力的な姿が見えてくる。いかにして鬼は私たちの精神世界に住み続けてきたのか。鬼とはいったい何者なのか。日本の「闇」の歴史の主人公の正体に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kasim
30
「おに」とは外部の存在、内部を脅かしつつもそれとの交渉によって内部を維持させたり豊かにしたりする。外部の精髄である「たま」(珠または鬼の首)を占有することが王権を支える。鬼や蛇との異類婚姻譚も外部を排除するのかそれとも取り入れるのか、両義的。ナマハゲも邪神であり、かつ祝福にもなり得る。こうした中心と周縁の議論は面白いけど既視感があると思っていたら、突然後書で鬼=過剰な力、という解釈も。本書の中心的な論考群から二十年ほど経ってからの後書だから仕方ないけど、その議論も読みたかった。2026/05/08
テツ
25
鬼について。鬼的な姿のモノは節分の豆撒きで被るお面などで目にするし、「心を鬼にして」「鬼の目にも涙」などといった言葉を通しても日本人にとっては馴染み深い筈。それでも鬼とは何なのかということについて聞かれても大多数の人は答えられないだろう。人間には出来ないことを行う人間とは思えない力を持つ鬼たち。しかし彼らのベースとなる姿は角がある程度で基本的に人と同じだ。力の象徴。神ほどには遠くはない力。荒ぶりまつろわぬものどもの溢れ出すような力。人間と近い姿で人間には決してできないことを行うというのが鬼の肝な気がした。2020/03/13
Norico
19
赤や青色の皮膚に角があり、虎皮の服を着て、金棒を持っている。鬼は最初からそうだと思ってたけど、昔はもうちょっと幅広く、今なら妖怪と呼ばれるものたちも「鬼」だったんだなぁ。中央の権力と鬼の関係とか興味深い。鬼と人間の間に生まれた子ども、片側人間の考察は、後半難しくてよく分からなかった。2021/05/26
春風
19
「鬼」とは大昔から日本人が特定の現象や存在に対して用いた民族語彙・民族概念。赤ら顔で牛の角が生え、虎柄の穿き物に身を包むというキャラクターに止まらない。むしろ、学術用語・分析操作概念である「妖怪」という大分類と多く重複する概念でもある。しかし民族に依存する語彙・概念であるという特性上、指示範囲・意味内容については、時代と土地によって差があり把握しづらい。本書はそんな鬼に対する小論考を集録したものであり鬼を体系的に理解できるものではないが、人の反対概念として、片側人間を通して等、本質に迫るものとなっている。2019/12/01
LUNE MER
15
高田崇史QEDシリーズの愛読者であれば助走なしで一気に駆け抜けられるような内容。「鬼」というコンテンツを深掘りしていくことでこのような歴史が眼前に広がっていく知的興奮を若い人たちに少しでも多く知ってほしいな。2023/04/17




