裁判官! 当職そこが知りたかったのです。

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裁判官! 当職そこが知りたかったのです。

  • 著者名:岡口基一/中村真
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 学陽書房(2018/08発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784313511651

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内容説明

「裁判官!当職そこが知りたかったのです!」

イラストで人気の中村真弁護士が、岡口基一裁判官にインタビュー!?民事訴訟の代理人が聞きたかったトピックに切り込む!
書面、証拠提出、尋問、和解、判決……。裁判官が考える訴訟戦略のポイントが満載!
さらに、いま民事裁判が抱える問題からナゾに包まれた裁判官の日頃のお仕事まで、法律実務家の「気になる」が詰まった対談本!

目次

まえがき

CHAPTER1 書面

・裁判所から見た「いい書面」「悪い書面」
・要件事実の知識の有無が最も表れる書面
・訴状のファーストインプレッション
・見落とされがちな「よって書き」
・訴状で代理人の印象は決まる
・書面はゴテゴテ飾るべからず?
・しょうもない主張につきあう必要は?
・エモーショナルな書面の効き目
・基本的事実の主張の欠落
・書面を送るべきはファックスか郵送か
・やたらと長い書面
・いつも自分の主張で終わりたい代理人

CHAPTER2 立証

・高裁裁判官がまず読むのは証拠説明書?
・被告欠席が見込まれるときに出しておくべき証拠
・証拠の表記方法あれこれ
・主張立証責任のない当事者にどの程度事情を明らかにさせる?
・証拠調べにより引用すべき事実の確認
・ 「適時提出主義」の「適時」とはいかに

CHAPTER3 尋問

・陳述書にはなにを記載するべきか
・「尋問バッチリだったのにこの判決?」という疑問が生じるワケ
・補充尋問についての考え方
・尋問で変わる印象
・証拠調べ期日前の準備
・介入尋問と補充尋問
・尋問の和解への影響は?
・弾劾証拠を裁判官はどう見ているか

CHAPTER4 和解

・和解のメリット・デメリット
・県民性と和解のゆくえのカンケイ
・「7割」和解を成立させる裁判官が語る
・手元不如意の場合
・やっぱり和解してください

CHAPTER5 審理の終結

・弁論の終結~判決までの裁判官のお仕事
・最終心証ができるまで
・判決までのスケジュール感
・部長の心証やいかに
・「合議の充実」の取組み
・裁判官同士のコミュニケーションの変容
・最終準備書面、コレを書いたら勝たせたる

CHAPTER6 判決

・上級審への移審は考慮するのか
・和解協議が判決に影響!?
・代理人の腕のよし悪しが判決に及ぼす影響
・起案合議
・審理期間の長さは気になる?

CHAPTER7 控訴

・双方から控訴される判決
・高裁裁判官が上訴審でまず着目すること
・控訴代理人の見立てと筋と
・控訴の趣旨は大抵どこか間違っている?
・双方控訴、付帯控訴などの事情の影響は?
 【書式】控訴の趣旨と控訴の趣旨に対する答弁
・控訴審における和解

CHAPTER8 裁判所から見た内外のお仕事事情

・ブラックボックス? 裁判官の転勤時の引継ぎ
・異動を控えた裁判官
・主張まとめメモの提出要請
・処理して行くか置いて行くか
・裁判官の宿題事情
・事件処理「以外」にはこんなことをしています
・裁判官に求められる資質
・裁判官の仕事の魅力
・裁判官はしんどい?
・民事系裁判官のスキルが光る場面
・高裁から見た管内の裁判官
・裁判所に信頼されている代理人
・裁判官から見た最近の若い代理人
・裁判官がやりやすい代理人
・裁判官よ、外へ出よう

CHAPTER9 これからの民事訴訟を語らうこと

・民事訴訟の質は今がピーク?
・なぜ今がピーク?
・失われる旧様式判決
・消えゆく要件事実教育
・要件事実教育の担い手やいかに
・専門訴訟の課題
・マニュアル化とAI

おまけ 裁判官!岡口さん、教えて!

・同業者との距離感
・知られざる裁判所の飲み会
・この仕事はここがつらいよ
・ポストの問題
・これだからこの仕事はやめられない
・「被害者を助ける」なかれ
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

akane_beach

15
今話題の裁判官岡口基一氏と弁護士中村真氏の垣根を超えた対談。訴訟指揮を取る裁判官から見た代理人&当事者の印象、書面の良し悪し、書証の印象…など興味深い内容盛りだくさん。笑えたのが〈依頼人を説得できない弁護士〉本来なら訴訟を起こしてないようなとんでもない事件とかを持ってくる。まるで依頼者のおつかい。無理な主張を平気でしてくるので本人訴訟と同じ。それでは弁護士ではないでしょうって(笑)。で当然全負け。岡口氏は私の地元の地裁にいた時期があり、行橋の飲み屋でニアミスしていたりして…などと勝手に親近感が湧いている。2018/03/10

アルカリオン

14
弁護士が受託しているにもかかわらず、本人訴訟と変わらない低レベルの訴訟が増えた。背景として、弁護士数の増加・競争激化により、筋の悪い事件でも受託する(しないと食べていけない)弁護士が増えたこと等がある。以前であれば、弁護士が諭して訴訟提起をあきらめさせていたはずだが▼一方、そういうケースであってもクライアントからすれば「ようやく話を聞いて、まともにとりあってくれる弁護士が見つかった」のでそれだけでも嬉しい、となる。弁護士も報酬がもらえるので、win-winの関係であると言えなくもない。2021/05/19

アルカリオン

12
相手方の弁護士がポンコツであるときに、ここぞとばかりに叩きのめすのは得策でない。そんなことをすれば相手方の依頼人と弁護士の信頼関係が崩れ、和解交渉がまとまりにくくなる。「相手方の動きのマズさにどう対応するかは、代理人としてのセンスが問われるところかなと感じています」(中村)(p143)▼両氏の特徴をよくとらえている漫画が面白い。クレジットされてないけど、誰が書いてるんだろう?2021/06/15

ねお

12
裁判官は忙しいから書面を読まないが、判決を書く時は負ける側の主張を基礎付ける間接事実を全部潰す作業のために、記録を読み込む。しかしその作業は大変だから裁判官は和解をしたがる。データのコピペすることもあり、要件事実に基づく当事者の主張欄をかけない裁判官が増えている。裁判官の承認欲求は、同期と比べて出世しているかや持っている事件数の少なさ…等、本音での語りだからこそ見える裁判官の残念な部分も多かった。しかし、そういう通常知り得ない部分を開示してもらえるのは、事実を知った上でよりよい対策を練るためには必要。2020/05/30

NAKY

7
前回読んだのはまだ右も左もわからない昨年9月。民弁民裁修習を終えた今読むとむちゃくちゃ面白い!なるほどなるほどとも思うし次にJに会ったら聞いてみようと思うこと多々。要件事実できてるんかな自分…2019/05/02

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