内容説明
翻訳とは、なにをするものなのだろうか? 訳してみて初めてわかる、翻訳の醍醐味と名作の魅力。翻訳家と生徒たちが、対話しながら翻訳を実践するなかで、誰もが知っているはずの名作の世界が、まったく違って見えてくる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
74
書き手と読み手を結びつける妙。文法と意図。前者の人称代名詞/修飾句/挿入節などはついていけるが、三人称多元視点文体?!後者は、著者の思いであり魅力と解釈。口語体/口癖や”意味と音の優先度”など、流石SME!という感。「訳しにくいものワースト5」も同感。特にジョーク。先日国際会議で同席した同時通訳の方も同意見だったなぁ。何気に漱石氏評がちらり、いいね!掲載訳事例では『不思議の国のアリス』の"Pig or fig"や"Pig and Pepper"が印象的。脱帽です。 2018/11/18
佐島楓@入院中
64
著者は、翻訳に一番重要なのはいかに読むかだという。また語学力や異文化に対する知識、興味も重要だと述べている。私は和英文両方の表現力が一番重要だと思っていたため、目をひらかされた思いがした。正しい読みが必要なのだ。私に足りない能力が少しわかった。まだまだ修行が足りない。2018/08/13
SOHSA
41
《図書館本》あらためて「翻訳」の困難さと重要性が身にしみた。本来、言語はそれを母国語として使う民族の、或いはその社会の思想・思考そのものであるから、それを全く異なる別の言語に完璧に変換しようとすること自体、到底無理なこと。それを踏まえると翻訳家とその仕事はまさに不可能を可能にしようと果敢に挑む孤高の挑戦者のように見えてくる。本書では著者が講師を務める翻訳教室での生徒の訳文、講師の翻訳例と解説により、翻訳のポイントを読み手にわかりやすく解説してくれている。私にとって英語理解のための貴重な一冊となった。2018/07/16
瀧ながれ
29
実際に小説の一部を英語で提示し、翻訳しながら語る。昔から英語とは仲良くないので英文は目が滑りまくりましたが、日本の小説家にも書き癖があるように、英語にも作者それぞれの特徴を見ることができると知りました。それを翻訳にどう活かすかという工夫が興味深かったです。また、日本語の人称代名詞の豊富さと、それによって作品の雰囲気や登場人物同士の距離感なども決定してしまう難しさを、改めて学びました。横の文章を縦に書き換えるだけではない翻訳の奥深さ…。海外の小説を読むとき、翻訳のことをもう少し意識してみようと思います。2021/03/08
やまやま
24
取り上げられているのは文学としての翻訳である。正確性が必要な医学や理工書のようなものではないので、読み手に原著の意図するところをどのように伝えるかの工夫を挙げられており、それは理解できることである。例えば日本語方言を翻訳に活用され、江戸弁、関西弁、九州弁などを使うと原著作者の狙いが掴みやすくなる例も多くあるが、一方で使われる日本語の限界性も感じる。ご本人は「どこにもない方言」を使うことを考えるとのことであるが、文学はこれでよいのであろう。英文法解説としても興味深い題材は多いが、若干疑問な解説も散見。2021/08/10
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