「厭書家」の本棚

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「厭書家」の本棚

  • 著者名:山崎正和【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 潮出版社(2018/07発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784267020124

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内容説明

“世に愛書家というものがあるとすれば、
私はかなり重症の「厭書家」である──”
「知の巨人」が混迷する現代社会を生き抜くための必読書80冊を徹底解説。
20年の集大成、圧巻の書評集!

本棚に並んでいる本が恐い。
まだ読んでいない本がこれだけあるということが、
日々、まざまざと眼に見えることが、愉快ではない。
(中略)本を読みたい気持ちが募れば募るほど、
十分に読めない自分の無能が腹立たしい。
ひょっとすると、古来の厭世家が人生を愛しすぎていたように、
厭書家は本というものを愛しすぎているのかもしれない。
とりあえずそう思うことで、近頃は自分を慰めることにしている。
──「まえがきにかえて」より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

136
稀代の読書家で批評家の山崎さんが、さまざまな新聞やメディアに書かれた書評などを集めたものです。本を蓄積すべきであると最初のほうに言われていて、私も実際そのように感じます。ただ私の場合は脅迫観念で読んでいるような気がします。この中に取り上げられた本は新刊ばかりではなく、かなり昔の本もあります。また読みたい本が増えそうな気がしています。2016/03/05

ころこ

40
主に新聞に載せた晩年の書評集。実証的で専門的に細分化された知に対して、絶滅危惧種となった総合的な知の代表的な人物による文章。取り上げられている本や人物を知らないなりに読むことが出来ないと、こういう本は読めない。新聞で読んだ高齢者は本書を読まず、レビューの少なさから現役の読者を失ったことが窺い知れる。今のアカデミズム作法からはこういった文章は嫌われるのだろう。でも、何となく読んだ本の記憶はうっすらと、その後も地層のどこかに留めているものだ。2022/12/19

壱萬弐仟縁

22
好事家としては、愛書家と真逆な書名にユニークさを感じた。D.ベル『脱工業社会の到来』20頁~。人間をあいてに働く知的労働社会へ移行する(21頁)。J.ロールズ『正義論改訂版』61頁~。功利主義に対置する平等な分配を求める社会契約説。公正な正義。不遇な少数者の救済が正義(62頁)ならば、ODやPD問題は逆に深刻さをきわめると思われる。安冨歩『生きるための経済学』191頁~。創発を促進する方法はないが、創発を妨害する心理過程を発見、排除する方法を考えることは可能(193頁)。2015/07/14

Hiro

6
著者生前最後の書評集。見事な文章に釣られて紹介された本の多くを読んでみたくなった。他に読む本はいくらでもあるのに。書評を読むとこうなるのは分かっているのに。特に鷲田清一、五味文彦、鹿島茂、張競の各氏の本。最後の数編が追悼文にあてられ、しかも著者自身も今はもうおられない。安心して読む喜びを堪能できる著者がほんとに少なくなってしまったと、読後つくづく思う。2023/11/27

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