人体の冒険者たち――解剖図に描ききれないからだの話

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人体の冒険者たち――解剖図に描ききれないからだの話

  • 著者名:G.フランシス【著】
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • みすず書房(2018/07発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622087175

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内容説明

英国で5紙誌のブック・オブ・ザ・イヤー受賞! 小説のような文体に人体の薀蓄を交えた、読む人体図鑑とも呼べるノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タナカ電子出版

37
医学の勉強をすればするほど自分の身体を隅から隅まで知ることができないことに気がつく…しかしながら、メスを持つ外科医も薬を処方する内科医もともに、今解っている事と、解っていない事を明確に知るために学ぶ必要があると推測できる。この本はタイトルにあるように人体の冒険者の話しであります。私は異世界ファンタジーの冒険者と同じくらい医学冒険者を憧れの象徴として眺めています。2018/12/25

booklight

32
エッセイストが医者をやってみた、というような本。いや、医者なんですけどね。頭から足先まで、医学から始まり古今東西の教養を引用を挟みつつ、日常を語る。人の生死にまつわる医学的な日常の重さと今まで蓄えられてきた医学の深さの間で揺蕩う様は、西洋の教養人がやりたがるスノッブさとそうしないような日常性で、気遣いはいいのに、どちらにも突き抜けていないのがちょっと残念。でも、こういうのに自分が憧れていることを再認識しつつ、憧れは実は教養でなく、日常をいかに楽しめるか、ということに逆説的に気が付いた。それは瞑想に近い。2020/02/09

たまご

20
脳から足まで,上から順に各身体部位のエッセイです.ヨーロッパ的知性を感じ.著者の,チベットとか軍隊派遣先(?)とか,日本では経験できなさそうな研修を積んでいるのが驚き. そして頭位変換性めまいの治療法の冷遇っぷりとか,2000年以上前のホメロスの傷の描写の医学的正確さにびっくり.そして剣,槍,投石の致死率もとめるとか,世の中には面白いことやる先生もおられますねえ…これも病跡学のひとつなのかな. 章によって読みやすさが若干違ったように思われ,意外と読むのに時間がかかってしまいました.でも面白かったですよ!2020/02/15

19
☆☆☆☆ まずは脳。次に頭部、それから胸部、上肢、腹部、骨盤、下肢と、順番に説明してくれるガイド付き人体ツアーに参加したみたいだった。著者は医師だが、文学や歴史から症例への話のもっていき方が絶妙だった。十二使徒の豊かな表情を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチは顔の筋肉のドローイングが上手かったこと、腎移植手術の生々しい描写、敗血症から肝不全になりかけた若い女性が一命をとりとめた場面などは印象に残った。今この瞬間も、わたしを生かすために心臓や肺や肝臓が動いているんだと感じさせてくれる本に初めて出会った。2019/08/05

mawaji

11
従軍医など様々な遍歴を経て家庭医として臨床に従事している著者の脳内は、膨大な医学部の勉強による知識のみならずリベラルアーツのインプット量が半端ないということが随所で感じられ、訳者あとがきにあるようにまさに「医療と文芸と博物誌の息を飲むような融合」といった感じです。高齢化社会に向けて「医療とは、劇的に命を救うことではなく、粛然と整然と死を送らせようとすることです」という言葉は重みを増してくるかと思われます。「生殖器 子づくりについて」の章は興味深くも示唆に富む内容で、不妊治療あるあるだったりするのでしょう。2019/01/04

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