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内容説明
AIの進化が著しい。AIは人間の知性・思考ではたどりつかない解決策を瞬時に提示するが、「なぜそうなるか」という因果関係を示すことはない。このAIの仕組みとよく似ているのが、既存の宗教が伸び悩むなか信者急増中のイスラム教だ。「なぜそうすべきか」と問うよりも、神(アッラー)への絶対服従が求められるからである。いっぽう、デジタル技術の発達は、従来の先進国とは異なる経済発展を可能にしたが、中国で急速に進む監視社会を生み、日本でも不気味に広がっている。はたして、人類はAIや神に思考を委ね、安全・便利な生活を選ぶのか。それとも自由や人権が守られた生活を選ぶのか――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
犬養三千代
14
2018年6月10日 島田裕巳 祥伝社 820円 なかなか刺激的な題名ではあるが、 どちらも信じないというところ。結果だけでプロセスの説明ができないAIは人類の役には立つが人類を凌駕しないだろう。それより、中国のデジタル体制は凄い。日本は二周おくれている。人は自由に慣れるとそこから逃走する?イスラム教は日本の戦後の新宗教と重なるそうだ。確かに移民と地方からの集団就職の人たちの頼りなさには力となったようだ。国家とは何だろうね。2018/11/17
うえぽん
8
2018年の著作であり、近時の生成型AI利用の急拡大前ではあるものの、宗教学者の意見として傾聴に値する。教皇に皇帝が屈したカノッサの屈辱と、AIも活用するプラットフォーマーに国家が翻弄される状況をパラレルに見る公法学者もいるが、本書は元来国民国家と相容れない「イスラムの家」の世界的拡大傾向にも警鐘を鳴らす。AIとイスラムの一つの共通点は、AIの出した結論や戒律が、なぜそうなのかの理由が不明(ブラックボックス)であること。SNSの短い映像は、単純解を求める若者等に人気だが、服従=安心への第一歩かもしれない。2023/07/17
おっくー
6
衝動買いした本。AIと宗教(イスラム教中心)についての本であり、共通点について考察しているため、表題の通り。特にイスラム教では組織の概念がないことに衝撃を覚えた。2018/06/27
Hiroki Nishizumi
5
興味深く読めたけど、AIはおまけだな。現代の宗教事情、政治と宗教との絡みは面白かった。2018/09/21
oooともろー
4
AIとイスラム教、イスラム教とグローバリズムの親和性。自由に慣れた近代社会では逆に束縛を求めるようになる。2019/05/14
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