内容説明
永禄四年九月十日(1561年10月18日)──史上最強同士の激突の瞬間に、武田信玄は、上杉謙信は、何を思ったのか。霧立ちこめる北信濃の要衝で、竜虎が激突する。稀に見る上級の駆け引き。従った武将たちの本心は!……戦国最強対決の「瞬間」に、7人の作家が参戦。累計19万部突破の大好評「決戦!シリーズ」第4弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
49
最強と言われる戦国武将たちの激闘が描かれます。作家によって主人公も味方も異なり、川中島の戦いが立体的に見えるようでした。歴史ではあまり表沙汰にされることはないけれど戦国最強対決として切り取ることができると思います。2023/11/28
けやき
48
今回の決戦シリーズは川中島です。冲方丁「五宝の矛」/上杉謙信、佐藤巖太郎「啄木鳥」/山本勘助、吉川永青「捨て身の思慕」/宇佐美定満、矢野隆「凡夫の瞳」/武田信繁、乾緑郎「影武者対影武者」/真田昌幸、木下昌輝「甘粕の退き口」/甘粕景持、宮本昌孝「うつけの影」/武田信玄。どれも面白かったです。特に武田信繁を描いた「凡夫の瞳」がよかったです。2020/06/23
saga
43
数ある合戦の中でも知名度が高く、上杉謙信と武田信玄がしのぎを削った川中島。複数の作家のオムニバスで、上杉方と武田方の視点を入れ替えての作品を楽しめた。謙信、信玄が本人であったのか影武者であったのか、史実を同定することは難しいが故の各作家の視点。それぞれの作家が史料に基づき展開するフィクション。時代小説を堪能する真髄があるように感じた。2019/10/18
10$の恋
35
本格的な戦国時代がココから始まったと言っても過言じゃない。濃い!濃い!どっぷりと「川中島の戦い」に浸れた。"越後の龍"こと上杉謙信、"甲斐の虎"こと武田信玄。「毘沙門天」VS「風林火山」だ。宿命のライバルは五度に渡り川中島で交戦、その中で超有名なのは第四次合戦。七名の短編著者はその戦場に飛び込んだ格好だ。私は七編七度「川中島の戦い」を堪能させて頂いた。さて、策略・深謀…、明暗を分けたのは『霧』。両者の裏の裏の「読み」には誠に痺れる。誉れ高き武将達の面々も命を賭けた矜持と作戦。戦国歴史の面白さ、ここにあり!2025/01/09
Our Homeisland
23
これまで読んだこのシリーズと違って戦自体も痛み分け引き分けで双方の勝敗や上下が同等同士で武田と上杉が順番に書かれていたので、読んでいてどっちがどっちか分からなくなるような気がしました。複数の話に登場してカッコよくクローズアップされていたのが、信玄の同母弟の典厩信繁でした。武田と上杉では、私は前から上杉の方が好き(私の名前にも謙が入っています。)ですが、いろいろと読んでみても配下の武将の層の厚さでは武田の方が粒ぞろいで面白いなと思います。上杉にも色々いるのですが、どうも直江と柿崎以外は目立ちません。2020/12/06