ちくま新書<br> 世界史序説 ──アジア史から一望する

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ちくま新書
世界史序説 ──アジア史から一望する

  • 著者名:岡本隆司【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2018/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071552

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内容説明

遊牧・農耕・交易。この三つの要素が交叉する場所で世界史は誕生した。遊牧と農耕の境界で交易が興り、シルクロードが現れる。やがて軍事力が機動性を高め、遠隔地を結ぶ商業金融が発達し、技術革新が生じ、生産力を拡大して、ついにモンゴル帝国の出現にいたった。そして、大航海時代が幕を開け、西欧とインドが表舞台に登場すると……。こうした視座から歴史を俯瞰するとき、「ギリシア・ローマ文明」「ヨーロッパの奇跡」「大分岐」「日本の近代化」はどのように位置づけられるのか? ユーラシア全域と海洋世界を視野にいれ、古代から現代までを一望。西洋中心的な歴史観を覆し、「世界史の構造」を大胆かつ明快に語るあらたな通史、ここに誕生!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

TATA

47
高校生の頃、「大国の興亡」を半ば興奮しながら読んだものだけど、あらためて本作を読んで同じような感慨に耽ることができた、ありがたい。広大なシルクロードを中心に中央アジアに視座を定め世界史を再構成する試み。そうすると、西欧と日本は辺境であり後進地域。古代以降いかに中央アジアが世界の中心地、先進地であり、それが大航海時代以後変革されたかを述べる。中高生の時にこういった話を聞ければどれだけ史学を志した人が増えたか。最終章の日本史への言及が白眉。2019/12/15

skunk_c

42
高校の「世界史」教科書に「親しんで」いる者からすると、特に5~15世紀くらいのユーラシア大陸史の概説書としては出色。とても分かりやすい。アレクサンドロスの東征はヨーロッパから見れば「偉大」なことかも知れないが、社会(例えば言語とか)を変えていない点に注目して評価する姿勢は腑に落ちた。東洋史家の著者はヨーロッパ中心史観、そしてそのヴァリエーションとしてのグローバル・ヒストリーに対するアンチテーゼとして本書を著したようだが、半分成功かな。致命的な欠点は、ロシアの動きが殆どないこと。ユーラシア史なのに。2018/08/19

もりやまたけよし

36
世界史を西洋中心に捉える歴史観に対するアンチテーゼの様にずっと感じた。多様な価値を許容する世界が心地よくも感じ、それがオリエントだと著者が言っている気がしました。2019/02/21

サアベドラ

32
中国近代史家が書いた新書世界史。2018年刊。これまでの世界史やグローバルヒストリーは西欧中心史観を十分に脱却できていないとして、ユーラシア大陸東西の動向を軸とした「新しい」世界史の見方を提示する。モンゴルぐらいまではまあまあよく書けているが、近世以降の展開は粗が目立つ。ヨーロッパ人はアジア史を理解していないとたいへんご立腹のようだが、そういう著者も西洋史の動向をちゃんとキャッチアップできていなくてせつない。歴史家が書いた世界史ならば、本書よりも北村厚『教養のグローバル・ヒストリー』をおすすめいたします。2018/10/30

ta_chanko

26
農耕民・遊牧民・商業民などさまざまな人々が交錯する乾燥地帯と湿潤地帯の境界で、文明や文字が生まれた。以来、アジアでは政治・軍事・経済などを民族ごとに分担する多元的な国家構造=帝国が興亡してきた。一方、ユーラシアの辺境に位置する西欧と日本では、官民一体の一元的な国家構造=国民国家が生まれ、産業革命以降、世界をリードした。西洋史観=進歩史観ではアジア史は理解できない。中央アジアの遊牧民に揉まれてきた中国・ロシア・インド・イランなどの大国の動向を読むには、複雑で多元的なアジア史の探究が不可欠。2023/07/18

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