内容説明
日本人は古来、心のありかたを仏像に託して表してきた。本書では哲学・美学・歴史学を総動員し、釈迦如来像から地蔵菩薩像まで10類型について、背景にある思想を徹底解明。50年以上にわたって売れ続けてきたNHKブックス『仏像』と『続 仏像』を、読みやすい書体にし、写真版も入れ替えて一巻本にまとめた決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yutaro13
24
代表的な仏像について、形を2人の専門家、心を梅原氏が執筆。1965年刊行本が2018年に再編集されたものだが、特に梅原氏の記述が現代にも通ずる日本文化論となっており古さを感じさせない。例えば阿弥陀如来の項には浄土不信にある現代人について、「死のことを考えまいとするのが唯一の生活の知恵となり、美的想像力ははなはだとぼしくなり、いたずらに平板な現実を写生するのが芸術のつとめとなり、倫理への信頼は失われて、もはや人は現世の功利につながる倫理しか愛しえないものとなる」。当時は高度成長期。半世紀後の日本人はどうか。2020/06/14
moonanddai
10
美術としての仏像ではなく、信仰の対象としての仏像を見ることができました。図版がさほど多いわけではありませんでしたが、仏像の形や意味という側面を(梅原氏の言によれば)「曼荼羅」として示していただいたので、日本の仏教というものの「概要」みたいなものが見えてきたような気がします。如来、菩薩、明王、諸天という(本書でいう)「ヒエラルヒー」みたいなものがありながら、阿弥陀如来以外要らないはずの浄土教者(ということになっていますW)が観音様も拝んでしまうという「だらしなさ」が、いいのですね。2019/02/04
Yoshihiro Yamamoto
5
A+新刊書の棚に並び、しかも私の大好きな土門拳がこれまた大好きな室生寺の釈迦如来を撮った写真がカバーになっているのを見て、即買い…。後で気づいたが、なんと1965年にNHKブックスから出版された本の再構成。そういえば、社会人になって、初めて奈良へ行って、様々な仏像を見てぶったまげ、奈良の虜になってしまった頃、その本を読んだことを思い出した。今回、改めて読んでみたが、全く色あせることなく図像的なことから精神的なことまで、解りやすく、かつ深く述べられている。沢山の仏教美術を見て混乱している頭を整理できる。2018/10/14
林克也
2
仏教伝来は552年(538年説あり)とされているが、はたしてそれ以降に仏像という偶像が日本人の目の前に現れたのか?卑弥呼の時代の3世紀前半にはすでに大陸と行き来していたのであるから、その時分には何等かの「仏像」が日本人の目に触れることがあったのではないか。さてそれはさておき、庶民に仏像を崇めるように仕向け、精神的に支配して奴隷として働かせて儲ける、今でいう電通のような輩がいたから、仏像が広まったのではないかと思う。2021/06/22
眉毛ごもら
2
先日亡くなられた梅原先生と仏像学者のお二方の五十年ぐらい前のテレビ番組を本にしたもの。如来菩薩明王天部を前半は仏像の説明、後半は他宗や哲学的な観念から解読したものという感じ。たまに梅原先生だなーいうところや今は昔な考えかなというところもありつつも仏像の移り変わりの説明としては読みやすくわかりやすいのでよかった。テレビ番組も見たいものである。2019/05/30
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