内容説明
夏休み、征人は息子の加奈太を誘い、故郷の島にやってきた。征人はたちまち30年前の日々に引き戻され、加奈太はキャンプに参加する。飛び込みに熱中し、ケンカで殴り合い、自意識を持てあまし、初恋に身を焦がし、友情を知り、身近な死に直面する……。思春期の少年が、心身すべてで感じとったものを余すことなく描いた成長物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
114
父子家庭で育つ可奈太は14歳で思春期真っ只中。夏休みに父親の郷里の神様の島、天徳島で中二男子限定のキャンプに参加する事に。その父親、征人は14歳の夏にその島で父親を亡くしていた。可奈太、征人、14歳の征人の目線でいつの時代も変わらぬ思春期の揺らぎや迷い、苛立ちを女性の作家さんなのにすごく上手に書かれていた。今、実際に14歳の男の子がいるのでとても共感できた。14歳の夏にしか経験できない素敵で神秘的な友情に満ちた物語だった。 2019/05/08
しいたけ
105
「この話読んだことがある」「この先の展開を知っている」。ずっと抱えたままだった既読感。14歳の息子とかつて14歳だった父、そして14歳の自分を忘れたいと思っている読み手の私。夏休みのおばあちゃんの家、海、期間限定なのに永遠を感じる友情、年上の異性への憧れ、垣間見る大人の社会。大切な夏の物語を、手放してしまったのはいつだったか。いま本と一緒に手元に戻って来たあの日の思いは、私の海馬の古ぼけた鍵穴にぴったりと嵌る。扉を開けば、あの夏の水平線が広がっている。2018/09/24
きむこ
90
夏休みに南の島のキャンプに参加した加奈太達のひと夏のキラキラした青春物語。神様と深く繋がる風習や言い伝えが多く残る島で過ごす彼らの6日間。中2病の加奈太を始め、中学2年生の参加者は少し生意気ではあるけれどまだ子供。このキャンプは食事の世話以外は大人はほぼ関わらない。自由に探検して自由に遊ぶことで、自らが何かを感じ成長するのを見守るだけ。それができるのも、この大自然と神様と深く繋がったこの島独特の風習に絶対的に自信があるからだろう。大切なモノを見つけた彼らが眩しく逞しかった。★42021/01/10
のんき
85
中二病の加奈太。夏休みに自然溢れる島で、中二生、男子六人で、キャンプすることに。でも、三対三に分かれてバラバラ、仲が悪いんです。殴り合いの喧嘩も。次第に、仲直りして、一緒にご飯を作ったり、一緒に泳いだり、遊んだり、恋もチョコッとあります。喧嘩したままじゃなくて良かったです。逆に、友だちにいろんなタイプがいていいと思いました。友だちっていいなあ。友情っていいなあって感じる作品でした2018/07/27
papako
78
あ、続いた。椰月作品。いやー、これはよかった!離婚した父親征人と息子の加奈太、二人の14歳の夏が交差する。14歳の男の子って想像しかできないけど、こんなだといいなって感じ。加奈太がキャンプで出会った光圀とミラクル、この二人も最高!光圀くんの物事の捉え方とか。ミラクルくんの達観してるけどちゃんと子供なところとか。サッカー三人組との仲良くなり方とか。この出会いがこの先、征人たちのように続くといいな。あー、心が洗われた〜。椰月さんの作品では、やはり男の子の話の方が楽しめるみたい。2018/06/30
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