内容説明
古来、説明・予測などは無理といわれた人の好き嫌い。だがIoT/ビッグデータの時代、人の選好を操る手法が開発されている。心理学から行動経済学までさまざまな最新研究を取材して公開
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
90
最近、You-Tubeなどで映画予告などを検索するとしばらくはトップが良く観る映画会社などに関連した動画が出る時にこう、思うことがある。「私は本当に自分で好みを選んでいるのか?只、提示されている選択肢に反応しているだけに過ぎないのでは?」と。そんな疑問にカチリカチリと嵌っていくのが本書だ。そう、今の時代、私達は范逸する情報の中で好みのものを選ぶときは自動的に狭められた選択肢に沿うか、真逆にしないと決められない。そうしないと『アメリカン・サイコ』でのレンタルビデオ店で途方に暮れる場面のような今を生きている。2018/08/19
Fondsaule
31
★★★★★ 美術館に行くとなぜあんなにくたびれ果てるのか。 朝食には毎朝同じものを食べるのに、夕食には昨日と違うものが食べたくなるのはなぜか。 リサーチ段階で高評価を得たはずのクリスタルペプシが発売後に市場で不人気だったのはなぜか。 本が賞を受賞するとどうしてアマゾンでの評価が下がるのか。 以前にはきらいだったものを好きになるのはどうしてか。 人はなぜ自分の若いころの音楽がいちばんよいと思うのか。 そんな疑問に答えてくれる。第1章 何を召し上がりますか が、一番面白い。2019/06/10
サアベドラ
25
食べ物や音楽、映画などの好みに関する研究や実験を紹介したポピュラーサイエンス。著者はアメリカの科学ライター。人は新奇なものより慣れ親しんだものを好む、シンプルなものほど好かれやすいが飽きられるのも早い、嗜好は思いのほか変化しやすく環境や気分に左右される、などなど。案の定、邦題がミスリーディングで「好き嫌いの本質とはなにか」みたいな内容を期待すると肩透かしを食らうかと思いますが、まあ肩の力を抜いて人の好みをめぐるあれこれを楽しく書いた読み物として読めば楽しめるんじゃないでしょうか。2018/12/18
zoe
23
感覚機能が受け止めたシグナルを、言葉に変換することが第一歩。違いを表現していくと、物差しの目盛りが出来てくる。物差しがハッキリと固定されてくると、より詳しくなり、違いが分かるようになる。より好きになるかもしれないし、嫌いになるかもしれない。そしてそれは、さらに別のジャンルの好みにも影響を与えるかもしれない。MoMAとMOBA。なぜそのように感じるのか言葉にしよう。2018/09/14
魚京童!
22
私は青が好き。でももっと紫に近い赤も好き。蛍光ピンクもいいと思う。オレンジも捨てがたい。蘇芳なんてのもあるし、まっさらな白もいいなって思う。どれが好きかわからないよね。状況によるよね。そんな話だと思う。コロナで出歩けないから分厚い本を借りてきたら読み切れなくて困ってる。なんだそれって感じ。ほんとなんだそれ。2020/03/29