内容説明
「神社ブーム」が続いています。参拝だけでなく、御朱印集めやパワースポットめぐりなど、現代人にとっても神秘的な場所である神社。実は昔も今も、神社やその周辺の森、お堂、修験道は、ご利益だけではなく、不思議な話、怖い話、怪異な話の宝庫だったのです。本書は、西暦807年に創建された由緒ある神社の現職宮司が見聞し体験した、震えるほど怖い話を集めました。今も続く恐ろしい「丑の刻参り」、黄昏時が逢魔が時と言われる訳、見えないけれどそこにいることを知らせてくる浮遊霊・地縛霊、そのお祓いの方法、神職さえも迷わせる霊の力、ご神像や神域や古くからの言い伝えを軽んじたときに下る神罰、みちのくの悲しく恐ろしい記憶、童謡「通りゃんせ」の歌詞そのままに「行きはよいよい、帰りは怖い」の真実……など。神様や目に見えないものを畏れ敬う心や想像する能力を失くさずに生きることの大切さを伝える本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
110
静かに語りを聞く気分、の一冊。宮司さんが語るというだけあって、畳の部屋で静かに語りを聞く、まさにその気分。第一章からいきなり神社に纏わる語りはもちろん、視覚的にも恐怖心を刺激された。第三章の車の後部座席と花嫁人形は怖さと悲しさが混じる。改めて人が遺す想いの強さなるものを感じた。将門のチカラ、自然界のチカラは興味深く読んだ。昔から人々が守ってきたことのその意味等、どれもそっと押し付けがましくなく優しく諭すような言葉も挟まれているのが印象的だった。2019/06/25
aquamarine
83
現職宮司がご自身で見聞きしたり、体験した不思議な話を集めたものだそうです。一番心に残ったのは東北みちのくの怪異における、神社の多くが津波ギリギリの喫水線に建っていたという事実。神様がいらっしゃるという題を付けたのがよくわかります。言い伝えや禁忌にはちゃんと意味があるのだとこの本を読むと感じます。どんなことでも「やってはいけない」と言われることはやらない方がいいのです。勿論怖いのですが、ホラーを読むというよりも時代が起こしたことを知り、不思議なことをそっと受け入れることを教えられている気がする一冊でした。2019/08/08
ポチ
64
逢魔が時=魔に逢う時=物の形が分かりづらくなる夕方、魔物が微笑む。そんな墨絵のような夕方が好きなのは、魔に魅入られてしまったからなのかな…。2018/08/14
たいぱぱ
63
不思議な話や怖い話は大好きなんですが、歳食ったからでしょうか「霊が取り憑いた」とか「お祓いしなかったから」とかいうオチに白けてしまいます。宮司さんが書いたということで浅田次郎さんの『神座す山の物語』のような話を期待してましたが、その期待通りとは行きませんでした。ただ「平将門や家臣の子孫は成田山に詣らない」とか、禁足の土地、逆屏風や通りゃんせ、山神さまの話は面白かったです。これを読んでて、今の自分は、昔からの風習や言い伝えの裏側を知った時にゾクゾクするということに気付きました。2019/06/30
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
56
読み友さんに教えていただいた1冊。本書は、伊豆山神社の宮司さんが語る神社をめぐる不思議な話を収録。「通りゃんせ」の歌詞の本当の怖い意味や逆さ屏風の話、逢魔時(黄昏時)は神社に行っては行けない理由、「やってはいけない」ということはやってはいけないという話、東日本大震災の時に押し寄せた津波が神社の手前で止まり多くの社が助かった話、などなど印象に残る。目に見えるものだけが全てではなく、見えないものを感じて畏れるナイーブさや謙虚さ、敬う気持ちを失わないようにしたい。2021/06/09
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