内容説明
明智光秀を討った秀吉が、信長の重臣であった柴田勝家を破って後継者になった――教科書によく載っている記述ですが、ここにはとても重要な事実が抜け落ちています。それは、本能寺の変で信長の血筋が絶えたわけではなく、信長の血を受け継いだ織田家の人間が複数いたにもかかわらず、家臣の秀吉が権力を受け継いだ理由です。天下分け目の「関ヶ原の戦い」は、たった1日で終わった――誰もが知る事実ですが、なぜ「1日」で終わってしまったかの理由はあまり知られていません。大河ドラマなどで何度も扱われているにもかかわらず、日本人は意外に戦国のことを知らないのです。本書では、「中国大返しはなぜ成功したのか」「なぜ関ヶ原の戦いは1日で終わったのか」「豊臣秀吉と徳川家康は、いかにして天下を奪い取ったのか」「三英傑が目指した天下人とは?」など、知っているようで実は知らない戦国史を井沢元彦独自の視点で見直します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二分五厘
18
歴史の辿った結果だけを羅列し、詰め込ませるだけの日本史教科書。結果だけを知っている自分達には、何故そうなったのか?が抜け落ちている。特に様々な群雄達の思惑が重なりあった末の戦国時代100年間の流れを、その視点で眺めてみると興味深い。わずかな幸運を逃さず、その全てを100%利用することで天下取りに結びつけた秀吉。そんな秀吉なのに、晩年は打つ手が悉く裏目に出た理由。信長や秀吉の失敗を教訓にしつつ、彼らのやろうとした突拍子もないことを実現させて、戦国を終焉に導いた家康。歴史教育で大切なのは『因果関係を知ること』2018/09/14
のぶりん
17
「なるほど、そういうい解釈ができるんだ!」が一杯あった。確かに大阪では人気の太閤さんは織田片から見ると大悪党。同じ天下乗っ取りの家康には井沢先生は好意を持って見てるのかな。やはり、元は信長の神になるところから国の統一支配が始まっていた。なるほどナルホドと多方面から見させていただいた。2021/07/23
Koichiro Minematsu
10
なぜ信長、秀吉、家康と続いた戦国時代があったのか。本著で明確に理解することができる。ほんとこの歳になって歴史の何故?は、この本だからこそ面白い。天下人から続く尊皇攘夷が、関ヶ原の戦いにあったとは。2018/04/12
getsuki
7
学校では教えてくれない戦国史、秀吉、家康編。これも既刊で触れているのが多いので復習に。最後のアマテラスからアズマテラスへが印象的でした。2017/11/24
すうさん
4
本書は秀吉~家康時代を中心に戦国を語り、信長は省かれている。同じタイトルの文庫本を読んでいたのだが、なぜか少し内容が違ってかなり偏っている。本書を読んで感じたのは、二人とも権謀術数に長けていたから天下が取れたのだという事。信長は天下取りのパイオニアだったが、秀吉も家康もそれをじっと見て良いところを取り込み、周囲の状況をじっくり観察しながら武力というよりも心理戦で人々を掌握していった。いや戦で結果をつけるために心理戦や経済政策を駆使していたと思った。それと現代社会にも通じ「権威」と「権力」とは何かも学べる。2019/11/27
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