内容説明
IT企業のエンジニア・トガニ・ジェイは、美しい妻とかわいい子供に囲まれ、平凡ながらも幸せな生活を送っていた。
しかし、ジェイは、突如、この生活と世界がおかしいと思い始める。
この世界に住む人間があまりに少ないこと。自分の生活圏が異常に狭いこと。
老人たちの死は日常的にあるのに、その死を埋める新たな誕生がないこと。
セックスに快楽以外の意味がないこと。
そして、8年前以前の記憶がないこと……そのことを妻や子供に問いただしても、「何が不思議なの? おかしいわよ」と首をかしげるばかり。
俺はおかしくなってしまったのか? 突然感じ始めた世界への違和感の真相を探るべく、ジェイは動き始めるが……。
問題作『亡国記』につづく、現代日本に問いかける衝撃の近未来リアルノベル!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
13
★★★☆☆10歳年上の大学の研究室の先輩に当たる作家。ロボットアンドロイドが普及した未来。世界で唯一原子力を利用していたその国は機構の狂った総裁の暴走により1度は滅んだ。しかし記憶を植え付けられたアンドロイドとして甦った55万人の市民により何事もなく生活は続けられた。消去されたはずの事故の記憶を取り戻したロボット研究者の主人公は……典型的な設定のSFにアンドロイドのアイデンティティを組み合わせたのならもっと面白い話になりそうなのに作者が強引に物語を支配しようとして失敗した作品に思える2018/08/29
おのちん
12
★★★☆☆:自分には少し合わなかったかな。ストーリーは良かったんだけど。特に最後の方は少し引き込まれました。2024/01/01
無添
2
この国は、何かを隠している。政府を疑え、情報を疑え、自分を疑え。2020/02/25
ろい
1
アンドロイドとAIが普及し原子力に依存する近未来SF。ある日覚えた小さな違和感が国への不信感となり、隠された国家の真実を知る為、主人公のジェイが奔走する。題材にはとてもひかれたんだけど、まるで感情移入できず最後まで入り込めなかった。自分の思う「人間」の定義が作者と一致しないから?そもそもストーリーとして真実を突き止めていく過程が一番面白いはずなんだけど、それがほとんど省略されている。苦労して手に入れた、侵入に成功した、接触した、いやいやそこを読みたいんだってば。2020/09/12