アートは資本主義の行方を予言する - 画商が語る戦後七〇年の美術潮流

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アートは資本主義の行方を予言する - 画商が語る戦後七〇年の美術潮流

  • 著者名:山本豊津
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2018/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569826172

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内容説明

「『資本主義の終焉』を読み解くヒントが、現代アートにここまで隠されていたとは驚きだ!」……水野和夫氏(日本大学教授)推薦! 現代アートは理解できない……。美術館に行ってもそんな感想をもつ人は少なくないかもしれません。ましてや一見ガラクタに思える作品の価格がじつは数億円、と聞けば、なんとなくうさんくさい……と感じる人すらいるでしょう。しかし、じつはアートこそが私たちの生きる現代資本主義を体現する存在、といわれたら、どうでしょうか。まさにアートの「価値」と「価格」の関係にこそ、モノの値段が決まり、ときにそれが暴騰・暴落する資本主義の本質が隠されている、と山本さんは語ります。山本さんがオーナーを務める東京画廊は、日本初の現代美術画廊であり、当時まだ無名だったルーチョ・フォンタナやイブ・クラインという、いまや数億円の価値がつく現代美術家たちを発掘した目利きの画廊。だからこそ、その言葉にはただの画商とはひと味も、ふた味も違う切れ味と重みがあります。そして、その「価値」と「価格」の関係は時代背景によっても大きく変わる、と山本さん。本書において敗戦後から現在のグローバル化にまでいたる社会変化とアートの潮流が論じられるのは、まさにそれゆえです。西欧から日本の「もの派」へ、さらには中国や韓国へ……。そうしてアートの「周縁」が時代とともに移動していく様は、グローバル化のなかで次の投資先を求めて資本が移動していく様と重なることでしょう。ならば、その先に資本主義はどこへ向かうのか。そのなかで、日本美術はどのような存在感を発揮できるのか。戦後アート論としても、資本主義論としても多義的な読み方ができる、どこにもない美術論です。 【目次】第1章:資本主義の行方と現代アート――絵画に見る価値のカラクリ 第2章:戦後の日本とアート――東京画廊の誕生とフォンタナの衝撃 第3章:日本発のアートと東京画廊の歩み――脱欧米と「もの派」 第4章:時代は西欧からアジアへ――周縁がもたらす価値 第5章:グローバル化と「もの派」の再考――世界と日本の関係 第6章:「武器」としての文化――美の本当の力とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

68
銀座にある「東京画廊」の2代目画廊主・山本豊津が語る絵画のもつ価値と美術論。美術は商品として「使用価値」から「交換価値」への転換と飛躍があると同時に、現代アートにおいては作品自体にも様々な価値の転換と飛躍がみられるという。世界における美術品の総売上高は2013年度で約6兆7000億円。そのうち38%が米国で第1位、そして第2位が中国の24%と続く。絵画のマーケットにおいては、自国の美術品の価値を高め、それを世界に示すことで文化的な優位性や自信、そして美のスタンダードを握ろうとするグローバル化の波が押し寄せ2016/01/01

kawa

26
筆者と経済学者の水野和夫氏との対談集「コレクションと資本主義」が非常に興味深かったので、その前振りにも相当する本書を手に取る。アートと資本主義の親和性、戦後の現代美術の潮流など、自分にとって美術に対する新しい視点が目白押しで嬉しい悲鳴。曰く、★過去の歴史と文化の中で生まれた価値の体系で、その作品がどのような意味を持つか。(言葉で作品を価値付けられるか)★現代美術はナチズムや原爆等の負の遺産を生んだ近代以降の知性主義や理性主に対する懐疑や批判が出発点。<続く> 2018/06/25

NICKNAME

20
仕事でご縁がありこの著者とは幾度かお話をしたことがあるのですが、とても知的でありながら堅苦しい訳ではなく、さすが画商というかトークの方も上手で魅力的な方です。この本は著者のバイオグラフィー的な側面もあり、著者のユニークな経歴も知ることが出来るのですがなるほどと思いました。

デビっちん

18
芸術と資本主義経済は、どちらも価値転換を実現するアーティストという観点から親和性があることがわかりました。ここで必要なのは、やっぱりストーリーと美意識なんですねー。価値を創造するという点で大変参考になる内容でした。2018/11/19

黑春

13
アート作品の「価値」と「価格」の関係から、現代アートの歴史とかが書かれている。自国の文化価値を高め海外に発信していくことで、現代アートの価値を高める必要がある。 アートを通して国際社会と付き合い方だったりを考える。 なんかそんな感じのことが語られています。2022/10/02

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