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内容説明
日本最初の正史である『日本書紀』には頻繁に軍隊の派遣がある。当時の交通の技術を考えれば、特に冬季における軍隊の移動が難しいことは明白であるにもかかわらず、なぜ冬場の行軍の記述が数多くあるのだろうか? また、対馬で二世紀ごろから海の安全を祈る太占やアマテラスの信仰が行われていたこと、そして、出雲や丹後が交易で栄えていたことに、『日本書紀』はなぜ触れていないのか? 対馬、壱岐、丹後、敦賀など現地を訪れ、技術者の視点で先入観を排して分析すると、『日本書紀』の実質的な編纂者である藤原氏の深謀が明らかになった。さらに、巨大な大仙陵古墳(伝・仁徳天皇陵)がいかにして建造されたかについても、同じく技術者の視点で考察する。かつて広島港や第二パナマ運河などの計画・建造に従事した「海の技術屋」が、古代史研究の盲点を突く意欲作。20万部ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』著者、竹村公太郎氏推薦! 【目次より】●出雲はなぜ泡(うたかた)の国とされたのか ●海路でつながる壱岐、沖ノ島の神々 ●神功皇后の九州遠征――奪われた九州の遺産(レガシー) ●「倭の五王」の国・出雲王国 ●神武東征――国威発揚と国土荘園化 ●虚構から現実の歴史に――継体天皇の淀川凱旋 ●隠され、無視され続けた古代海洋王国群 ●巨大古墳群の謎――百舌鳥・古市古墳群考察 ●『日本書紀』の呪縛を解く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
8
北九州から出雲、越、近江、東海の古代海洋王国があっった2022/03/26
むらり
2
歴史家でもない港湾エンジニアの妄想?ろくな検証もなくとんでも推理を展開するだけ。2018/02/15
Micky
2
藤原不比等作「日本書紀」をどう読み解くか、ということでしょう。無論日本書紀を信じてるわけではありませんが、なかなか穿った見解で、納得する部分は多々ありました。 ヤマトは継体天皇まで統一されていない。 日本海側にヤマト同様の王国が複数あった。 倭の五王はヤマトの天皇だけではない。 古墳は巨大な土砂の捨て場 ヤマトには鉄を作る工房も素地もない。 神武時代の船は丸木舟。これでは東征なんて不可能。 色々あります。日本書紀を拠り所に歴史を論じること矛盾と詭弁の塊でしかないようです。 2017/12/24
キョウ
1
著者の考え方は、すっと入り込んできました。 そう考えると、なるほど!と思えました。2020/07/17
takao
1
☆巨大古墳群が舟運路でつながって物資が運ばれたと考えている。 ☆沿海州から朝鮮半島にいた民族が出雲、瀬戸内海に4世紀末から5世紀にかけて渡来してきた。 継体天皇から王朝が始まるとすれば、琵琶湖と淀川水系の舟運を支配して統一した王朝である。 (参考)日本書記 森、全現代語訳日本書記 宇治谷 (著作)古代史の謎は「海路」で解ける、古代史の謎は「鉄」で解ける、広島湾発展史、運河物語 2018/10/04