内容説明
夜になると棺から出てさまよい歩くミイラ。その噂に好奇心を刺激されたレディ・シーモアだが、所有者である伯爵との間には浅からぬ因縁があった。ミイラが安置された別荘でのパーティに招待されたレディは、いわくあり気な人物が集まる中、女性冒険家として名高いナポレオーネ・コルシと旧交を温めるのだが。 19世紀イギリスを舞台に戦う女性たちを描く冒険物語の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
47
女性であるだけで理不尽に傷つけられられるのは、今も昔も同じ。ただ事件が陰惨すぎて、わからなくはないけれど何もそこまでしなくても……と暗い気持ちになってしまった。ローズは相変わらず応援したくなる。2018/06/26
Norico
19
時代とはいえ、女性の立場の低さがつらい。エジプトのミイラも同じようなもので、イギリス人からしたら、元は同じ人間って思われてないから、見せ物になるんだけど。復讐をしても幸せにはなれないのかな2019/12/22
えみちゃん
18
お気に入りの「ヴィクトリアシリーズ」。今回は、夜になると棺から出てさまよい歩くと噂されるミイラをめぐるお話♪・・とはいうものの、ミイラが安置されているのは、女性蔑視を隠そうともしない暴君!しかもヴィタとは浅からぬ因縁を持つという老伯爵の別荘だというから最初から波乱の予感。さて社交の場から距離を置いているにも関わらず、アミーリア嬢に引っ張り出され完全アウェイの別荘にローズひとりを伴い乗り込んだヴィタでしたが・・。当時の女性の地位はとても低く、それは上流階級でも同じで彼女たちが受けた仕打ちときたらそれはもう2018/07/30
まふぃん
14
ミイラと女性問題のお話。流石に色々調べて書かれている。 次巻がこちらの文庫では最終巻らしいけど、どうやっても全てを回収出来ないよね。続きは書かれるそうですが、簡単に手にはいる形だと嬉しいな。2018/12/18
rosetta
14
★★★★☆建築探偵の作者だったのか。道理で雰囲気を出すのが上手い。シリーズ4作目らしいが問題なくついていける。ヴィクトリア女王の治世50年目の頃。虐げられた女性の権利拡張を主張するミネルヴァクラブ。シーモア子爵の後妻のレディヴィクトリアがエジプトのミイラを見学に、引退した王室侍従の伯爵の別荘に招待され...シリーズのこれまでも読んでみたくなった2018/10/11