光文社文庫<br> 始末屋

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光文社文庫
始末屋

  • 著者名:宮本紀子
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 光文社(2018/06発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334776398

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内容説明

吉原の妓楼から依頼を受け、客から借金を取り立てる始末屋「だるま屋」。そこで働く直次郎は、大見世「丁字屋」の花魁・真鶴から名指しで依頼を受ける。真鶴の妹分である花菊の首を絞めて逃げた男を探し出し、百両を取り立ててほしいと言う。直次郎の胸に、吉原で命を落とした妹の最期が浮かびあがる――。逃げた男の正体は!? そして、花魁の秘めたる思いとは!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

149
始末屋とは𠮷原の小見世相手の代金取り立て屋の事。その小規模な〈だるま屋〉で働く直次郎に大見世〈丁字屋〉の花魁・真鶴から名指しで依頼を受けた一件。真鶴の妹分・花菊の首を絞めて逃げた男に、𠮷原で死んだ妹・しのの一件がダブる。男の探索はなかなか進まない中、他の取り立てを追ううちに見えなかった真相が徐々に一つに繋がるのが実に面白い。花魁やだるま屋の仲間のそれぞれの恋心、どこか荒んだ直次郎の変化が絡んで最後まで飽きさせない。これはもう続きが読みたくて仕方ない。2021/10/15

ぶち

98
読友さんのレビューに魅かれて手に取りました。吉原廓の店の依頼で客から代金を取り立てる始末屋の物語。面白さの一つは、犯人(代金を踏み倒した男の正体や行方)探しにあります。十手持ちとは違う非公式な立場での探索は、私立探偵ミステリーの面白さに通じるものがあります。しかし、この物語の真骨頂は、探偵役の主人公・直次郎の過去の悲哀、取り立てを依頼した花魁の想い、そして廓で働かざるを得ない女たちの諦念など、その哀しく切ない心情を切々と描いている点にあるのではないでしょうか....いろんな場面で何度も涙しちゃいました。2021/11/05

タイ子

75
「始末屋」とは吉原の妓楼から依頼を受けて、客からの借金を取り立てる仕事。生業にしている「だるま屋」の直次郎の元に花魁から直接の指名の依頼が入る。妹分が何者かに首を絞められた挙句、男は逃げたという。時代劇サスペンスを感じさせる展開が面白い。直次郎の妹が苦界に沈む過去が語られるシーンは胸が痛くなり、それが後々一つに繋がるというストーリー。後半の花魁真鶴が直次郎と相対するシーンは遊郭に生きる女の想いが悲しいほどに描かれていて切ない。取り立てのみ生きていた男が人間の情を知っていく過程もいい。2020/05/15

はつばあば

54
吉原の花魁本はあれやこれやと読み漁りもしたが花魁ならまだしも女郎と呼ばれる女の悲惨さに積読本も増える。吉原で遊んでおいて揚げ代を踏み倒す男?そんな奴男の風上にも置けん!と思っても取り立て屋が存在するのですから情けない限り。寒村から吉原に売られた妹しのを探して兄が。哀しいかな妹は兄の介抱を受けてあの世に。兄は取り立て屋「だるま屋」で働く。直次郎の取り立ては容赦ない。花魁より名指しで依頼、妹分の首を絞めた男から取り立てをと。どこの誰ともわからぬ男探しに奔放する直次郎、惚れたか?否首を絞められた妹と重なったのだ2021/11/22

カーミン

34
時代小説は苦手で、あまり読まないのだけれど、この作品は、表紙絵の美しさとタイトルに惹かれて手にとってみた。サスペンスあり、吉原の風俗あり、恋物語ありで、なかなか面白かった。妓楼からの依頼を受け、客の借金を取り立てる、始末屋。そこで働く直次郎は、ある日大見世のお花魁から、名指しで100両という破格の取り立て依頼を受ける。それは、遊郭でしか生きられない男と女の切ない物語だった。吉原が苦界である意味がわかるような気がする。2020/01/27

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