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内容説明
「この壮大なリアリティは学びの宝庫だ」（成毛 眞氏）
世界に約20億人いる“金融難民”に、「新しい仕組みの銀行」を提供する――。
本書は、そんな前代未聞の構想を実現するために
アフリカ・モザンビークで事業を展開する日本人起業家の仕事録です。
■ 辺境から世界を変える。目からウロコの《新しいFinTech》誕生秘話
■ 未来の銀行を構想する動機になった、現代金融の問題点とは
本書では、この仕組みづくりの前後で著者が学んだ「お金の歴史」や、
現代のグローバル経済が抱える問題点、その解決策を記しています。
また、アフリカで生まれた「新しい仕組みの銀行」構想の発展形として、
日本の地方都市を元気にする「地域通貨」の可能性についても述べています。
日本から世界へ。世界から日本へ。
文字通りグローバルな活躍を見せる著者の言動は、
世界を変えたいという若者にとって格好の教科書になるはずです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
この著者がここに書いてあることは今後のアフリカをはじめとした、開発途上国援助のモデルになると思われます。モザンピークの本当に不便なところでの地道な活動が記されています。未来銀行という題名で少し損をしているのではないでしょうか？電子マネー経済圏は経済援助のお金がどこかへいってしまうのを防ぐ意味合いもあると思われます。いい本です。2018/08/07
えちぜんや よーた
88
金利で金利を稼ぐ複利計算モデルは今の時代（資源制約期）に合わないとの考えを述べられていたが、よく理解できなかった。複利計算モデルを否定すると先進国の中産階級の生活は崩壊するのでは？彼らは年金を積み立ててそのお金は株式・国債・投資信託で運用されている。まさに複利計算の世界だ。もちろん最貧国のことは放っておけば良いということでない。先進国と最貧国の富の分配について、落とし所が読み取れなかったことが残念だ。2018/12/10
booklight
45
まさにthink global, act local.物理的な側面のつよい食料やエネルギーを「現実」。政治、法律、金融など人が決めてきたことを「ものがたり」として、「現実」のエネルギーの供給のためにモザンビークでヤトロファを栽培し燃料アルコールに。一方現金を得ても貯めるところのない農民の「ものがたり」を変え、電子マネーを普及。経済拡大が前提の貯金利息モデルが、経済停滞の今、アフリカの寒村モデルから金融が変わるのかも。地域不均衡の解消という貿易の基本に立ち返っての社会起業はお見事。実感のある、いい本でした。2019/10/02
さっとん
10
複利の存在しない銀行システムを実際に運用しているということが非常に面白い事例になりそう。投資利息というのは将来の期待に対する前借り。金融というのは、お金を持っている人からお金を求めている人への移動仲介という話を聞いたことがあるが、利息をつけて返すには借りた以上の富を生み出さないといけない。このサイクルは、常に経済的な成長を要求し、人間は常にビジネスの成功を考え続けないといけないというループに入っているように見える。人間が経済的な富を生み出すためのマシーンになってしまっては本末転倒のように感じる。2019/04/21
Yutaka Hada
10
帯書きに「新しいFintechの教科書」と書かれていますがちょっと違うかな。本書には、何のために仕事をするのか？と言うビジョンを持つこと、その実現のために、現場に立ち、現実を見て走りながら考えること、そんな著者の経験が、飾ることのなくシンプルに述べられています。現場を知る方の、経験が背景にあるだけに、言葉に迫力があります。著者の仕事に対するビジョンは、「ものがたり」を変えること。そんな若い世代の想いをしっかり受け止め、自分が出来ることからそこに関わって行こう。読後にそんな想いが湧いて来ました。良書です！2018/07/28
