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内容説明
チベットで人類未踏の峡谷踏破、北極圏で闇の世界を80日間歩く極夜行……。数々の独創的な挑戦を行ってきた著者による冒険論。真の冒険の例として、ピアリーやナンセンの北極探検を挙げ、マニュアル化されたエベレスト登山やアドベンチャーレースなどを「スポーツ化した疑似冒険」と喝破する。日本人で初めて冒険の本質に迫った、画期的論考!
目次
はじめに
第一章 本田勝一の冒険論
第二章 脱システムとしての冒険
第三章 脱システムの難しさ
第四章 現代における脱システムの実例
第五章 冒険と自由
終わりに――放棄される自由を前に
本書に登場した主要引用・参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
120
2018/4/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2020/8/20〜8/23 角幡さんの冒険とは何か、について、まとめられた本。「探検というのはシステムの外側にある未知の世界を探索することに焦点をあてた言葉であり、冒険の方はシステムの外側に飛び出すという人間の行為そのものに焦点を当てた言葉だ」という「はじめに」の一文の考察が素晴らしい。2020/08/23
T2y@
41
〝冒険とは批判的性格をそなえた脱システムという身体表現である。 世間と乖離して自分の倫理を獲得し、独自の言葉の意味を見つけて自立すること。〟 角幡さんは、冒険をこう定義する。 奇しくも読書中に、栗城史多さんのエベレスト遭難の報と、その山行に対する批判の声を耳にする。 もはや、未踏の地も少なく、冒険と呼べる行動も限られる。それでも冒険者は、外の世界を目指すのである。 2018/05/24
小木ハム
32
『アイツ頭おかしい』と笑われていた人が大体いつも新しい道を拓く。冒険=脱システム=異分子になる。再現性を得るためにマニュアル化された道をたどる行為は、たとえエベレスト登山であっても冒険とは言わない。ナンセンの北極海漂流のような命懸けの無謀性と自主性を含む行為が本当の冒険である。昼と夜が規則的に交代する生活から″脱システム″した著者は、日が昇らない極夜世界に80日間身を置く。そして再び太陽を見られる生活に帰ったとき、想像を絶する有り難みを感じたという。冒険には日常に対する批評性も伴う。2020/06/01
zoe
25
自分の命を対価に、不透明な未来に対して自由を謳歌していますか?人の通った道ばかりを選んでいませんか?テクノロジーに依存し過ぎているのに、全部自分の力で成し遂げたと思っていませんか?自分で、新しいボーダーを見つけられますか?2018/08/23
たらお
24
外出できないことから、前ちょっと読んで積んでいた本を読む。初めはスイスイ読むが、途中で何故積んでいたのかを思い出す。そう、この本は冒険論がテーマ。だから冒険という定義を文章や論理でこねくり回していたからで、自分が読みたいものではなかったからだ。しかしながら、脱システム~現代の便利さ(GPS,携帯など)を廃した冒険など言っていることは分かった。この本で紹介されていた「狼の群れと暮らした男」の話は前も気になったが今回も気になり、機会があったら読みたいと思う次第。2020/04/29