内容説明
賢者の石、ホムンクルス、金の生成……数々の魅力的なエピソードを生み出した『錬金術』という技術は、いつ、どこで、どのように研究されていたのか。その結果何が成されたのか。今まで、コミックから抜粋した説明か、難しい解説書かのどちらかにかたよりがちだった錬金術の解説を、文章と図解でしっかり&わかりやすい本にしました。錬金術について創作ではない知識が欲しい、でも専門書は読めない、という方にぜひお勧めの一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
206
某アニメ作品によってメジャーになった錬金術師ですが、現実の歴史を紐解いてみてもかなりメジャーな方が実は錬金術師だった。例えば、アイザック・ニュートンやロジャー・ベーコンなど、また『ハリー・ポッターと賢者の石』で名前だけ登場したニコラ・フラメルやホムンクルスを創造したパラケスス(本名:テオフラトゥス・ボムバストゥス・フォン・ホーエンハイムという。どこかで聞いたような……)いずれにしても彼らは”賢者の石”と”真なる黄金”の生成に力を注いだ。まさにその命がけの努力は、現在の化学に大いに貢献している。2018/09/18
白義
17
一口に錬金術と言っても、それは黄金や不老不死を得るための現世的な望みを叶えるためだけに発展したものではない。むしろ精神性を重んじ、宇宙の神秘を理解し、やがては人だけでなく宇宙自体の進化、精錬をも目論んだ秘儀の体系である。ヨーロッパ史に流れ続けた精神史の水脈であり、化学史に繋がる発見も多く生み出した広大な領域をあっさりながら広く扱っていて入門書としては十分なクオリティ。ヨーロッパ以外の錬金術にも触れていて、ルネサンス以後の硫黄と水銀を重視する理論がイスラムの錬金術から生まれたことなど、思想史の繋がりも見える2016/04/05
なつきネコ
7
中世ヨーロッパの思想はどこかで繋がるな。科学と錬金術みたいに、千年王国信仰は西洋絵画やノストラダムスの予言にも多く語られていたな。そういった思想があるだけで、安直な中二とは違う重みがある。しかし、最初期の錬金術が女性が多いとか言うのは初めて知った。錬金術師の名前はあまり知らないので勉強になった。2014/07/11
FeLis-IA
3
ちょいと調べ物。いい意味で広く浅くまとめてあって何かと重宝してます。もっと詳しく知りたいときは巻末の参考文献も併用すると便利。2011/06/12
さくら餅
2
広く浅く書かれてますが、なかなかわかり易くて面白かったです。入門書としてピッタリですね。2014/06/11