角川文庫<br> 金魚姫

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角川文庫
金魚姫

  • 著者名:荻原浩【著者】
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  • KADOKAWA(2018/06発売)
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  • ISBN:9784041058343

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内容説明

恋人にふられ、やりがいのない仕事に追われていた潤は、夏祭りで気まぐれにすくった琉金にリュウと名をつけた。その夜、部屋に赤い衣をまとった謎の美女が現れ、潤に問いかける。「どこだ」。どうやら金魚の化身らしい彼女は誰かを捜しているようだが、肝心な記憶を失い途方に暮れていた。突然始まった奇妙な同居生活に、潤はだんだん幸せを感じるように。しかし彼女にはある秘密があった。
温かくて切ない、ひと夏の運命の物語。

※本書は2015年7月に小社より刊行された単行本を文庫化したものです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅら

256
優雅なファンタジー。主題は死生観?自殺願望、仏壇店勤務、死者が見えるなどの「死」と、愛する者を奪われた復讐のために生きる金魚のリュウや、リュウと主人公潤の親密さなど、好意でも敵意でも、やっぱり人は人を思っていれば生きていけるんだと思う。それが「生」。死と生を考えた話だと思う。「あなたは自分が傷つきやすいのは、繊細なハートの持ち主だからだと思っているんでしょ。違うよ。自分のことしか考えていないからだよ」「どんな小さなことにも、何気なく選んだ途にも意味がある。それと気づかなければ見逃してしまうすべてのことに」2018/12/03

nobby

199
優しい、愛おしい、楽しい、美しい、そして切なくも温かい…何ともやわらかく和やかな表現をひたすら並べたくなる読後感は間違いなく幸せ♬何より赤い衣をまとい袖を自慢の尾ひれが如くひらひら舞い揺れるビショ濡れ“金魚姫”には惚れるよね(笑)「おかえり~」「新麦、冷えてるよぉ」に萌え三昧…その恋物語を演じるのは片や人生を投げ出した男と何やら哀しさや憎しみの宿命を匂わす女、2人の背負ったものは重く暗くあるものの終始微笑ましく読めるのが不思議な魅力。そして徐々に近付く終焉に驚きつつも、最後に浮かべる涙は清らかで心地よい。2020/02/01

相田うえお

173
★★★★★18106 これ、面白かった!読んでるといつのまにか可笑しくって顔が緩んでしまうな〜んていうシーンあり、ちょっぴりハラハラするシーンあり、潤る潤るっていうシーンありと、ほんと良かったなぁ。やっぱり荻原さんの作品はいいなぁ〜。夏祭りの出店の定番といえば金魚すくい。当方、やったことないんですよー。本作品は仏壇仏具屋で営業成績が良くない主人公の男性が金魚すくいで1匹の金魚を掬って家に持ち帰るのですが、なんと〜!と始まります。まじ、おススメです! (金魚飼いたくなったけどニャンがいるからなぁ〜〜)2018/12/02

れみ

164
恋人に振られたうえにブラックな職場での日々に神経をすり減らしていた潤が近所の夏祭りの金魚すくいで取った琉金を家に連れて帰りリュウと名付けると、なぜかそこには赤い衣をまとった謎の美女が現れ、それはどうやら金魚の化身らしい…というお話。リュウの古風な喋り方や知ったかぶりがなんとも可愛らしくて、可笑しくて楽しい。リュウのいる生活に潤と一緒に幸せを感じていた。終盤、ああ…そういう展開になってしまうのか…と哀しくもあるけど、なんとも温かくて、切ないけどなぜか幸せな気持ちになる。2019/02/02

やっちゃん

156
ゲェー!金魚の超人!!設定は昭和のアニメの様でまあチープ。なんだけどCMやなんやらのモノマネするリュウちゃんが可愛いし面白いし絶妙。この世の終わりのような序盤から出会って生き生きとしてくる2人。幸せが溢れてていい。おじさんも飼いたい。2023/06/28

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