内容説明
ともに行くのは笑顔が似合う死者の少女――。
これは終末の世界で始まる、夜の旅路の物語。
全世界を襲ったゾンビパンデミックから5年後――、人類はほぼ全滅していた。
荒廃した東京をひとりさすらう少年ユキトはある日、「死ぬまでにやりたい10のこと」のため北海道を目指し旅をしている少女エコと出会う。いつも笑顔で明るい彼女だが、その正体は他に例のない“ゾンビ化していないゾンビ”だった。
彼女の死を見届けるため、人類の敵とふたり旅に出ることにしたユキト。決意を胸に、朝日とともにいざ出発しようとするとエコがかわいく抗議の声を上げた。
「ゆっくんは、デリカシーがないなあ。支度はすぐだけど、昼間は出たくないの」
尖った口先が、つまらなそうに続ける。
「腐っちゃうから」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
44
全世界を襲ったゾンビパンデミックから5年後、荒廃した東京を1人さすらう少年が"ゾンビ化していないゾンビ"の少女に出会う。これはそんな2人の旅を描いた物語。人が生きるために本当に必要なものとは一体なんなのか。この作品を読めばきっとその答えがわかる筈。死ぬ為の旅を始めた少年が、1人のゾンビ少女と出会い、彼女の明るさに触れていく事で、彼の死んだ心が再び生き返っていく。荒廃した世界だからこそ人との絆や温もり、そういったものの大切さをより確かなものとして伝えてくれる。心の琴線に触れる良い作品でした。2018/06/12
ひかはる
32
再読。エコの笑顔は勇気をくれる気がする。やっぱり良作だと思います2019/05/30
うまる
31
【年末ゾンビフェア②】ボーイミーツガール(ゾンビ)もの。ゾンビパニックは収束したけど色々な物を失い荒廃した世界の中、死人のように生きている者と生き生きとしたゾンビの対比が面白い。終わりがヒシヒシと近づいているのに、笑顔を忘れず腐らない様に頑張ってるゾンビが可愛かったです。掛け合いもゾンビを活かしたツッコミ等あって楽しいので、暗くならず読後感も〇 個人的にはポメラニアンが出てきたので大満足でした。2020/12/22
まるぼろ
30
インシデントと呼ばれる全世界を襲ったゾンビパンデミックから五年が経ち、僅かながらの人類と荒廃した世界だけが残った中で、ユキオはエコと言う名のゾンビ化していないゾンビの少女と出会うが…と言うお話です。とても良かったです。諸々な事情から消極的な死を望んでいたユキオが「余命」とも言える時間を妹との約束の為、何より自分の為に懸命に「生きて」いるエコとの旅の中で生きる事の意味を見出していく有様がとても良かったと思いました。最後にエコを見送ったユキオがイコやエコの祖父の住む故郷を目指すというのも→2018/07/10
た〜
30
タイトルからしてもっとはっちゃけているのかとおもいきや、案外おとなしい。まあいい話ではあるけれど、もっと盛り上がりがほしい。いっその事前編犬視点とか2018/06/12
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