文春e-book<br> 世界を変える日本式「法づくり」 途上国とともに歩む法整備支援

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文春e-book
世界を変える日本式「法づくり」 途上国とともに歩む法整備支援

  • ISBN:9784160089273

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内容説明

「わが国の民法起草について助言してほしい」

ベトナム司法大臣のこの一言が、全ての始まりだった――。

ダムや橋を作ることばかりが途上国支援ではない。相手国の歴史や文化を尊重して、その国に合った「法づくり」を支援する……1996年、ベトナムでの民法起草を皮切りに、JICA(国際協力機構)は、明治維新で外国の法制度に学んだ経験を有する日本ならではのユニークな方法で、途上国の「法づくり」を支援してきた。

外国人に対する警戒心、法律用語の理解の違いによりかみ合わない議論……幾多の困難を乗り越え、自国の人々のための法律を作ろうとする途上国の人たちと、彼らを支えた日本の法律のエキスパート達の、ひたむきな努力、悩み、葛藤、そしてチャレンジの記録。

今や日本のODAの大きな柱の一つにまで成長した法整備支援。その20年間の活動の集大成として、日本をはじめベトナム、カンボジア、ラオスなど、支援にかかわった多くの人々のインタビューをもとにまとめられた、国際協力に関心のある人、法律家を志す学生にとって必携の書。

【目次】
第1章 ベトナムから始まった日本の法整備支援
第2章 平和を支える礎づくり――カンボジア
第3章 全ては人を育てるために――ラオス
第4章 支援の拡がりと新たな支援分野への挑戦
第5章 これからの法整備支援

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

10
図書館にて。JICAの法整備支援については何かで読んだ覚えはあるが、詳しいことを知るのは初めて。ベトナムとカンボジアの件で本書の半分を取っている▲ベトナム。フランス植民地時代の法、そしてドイモイ政策以前に導入された旧ソ連の法制度があった(旧ソ連の1977憲法がベース)。WTO入りするため、近代的な法制度の整備が急務だった▲カンボジア。1997年になっても、同国の裁判官と検察官は170人しかいなかった。その後、十分な経済発展を遂げる同国だが、地方でもスマフォが普及したが、郵便制度は未発達などアンバランス2018/08/18

五十嵐文人

7
ベトナム、カンボジア、ラオス、その他諸外国でJICA及び 法務省による法整備支援が行われている。日本の国家法は異文化の法体系に源流を持っており、日本の伝統社会に「接ぎ木」されたものである。つまり、日本の実用法学の歴史は異文化の法的概念を適合させてきたのだ。この経験は、他国が民法を導入する際に大きく役立つ。他国の法整備をしていくにあたって、当惑するのは、主に両国の社会体制の相違と言葉の意味の違いである。同じ言葉でもイメージしている概念が異なるし、文化・風習も異なる。(→)2023/08/13

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