内容説明
室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか――。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
483
流れがわかりにくいが、歴史の転換点になっている応仁の乱についてわかりやすく書いた1冊。ある意味日本的な革命の一種なのかなと思った。2016/12/31
遥かなる想い
417
2017年新書大賞第5位。 知ってるようで、実はよく知らない 著名な大乱を懇切丁寧に読み解く良書である。 英雄不在のこの戦い、本当に目まぐるしい ..一体何のための戦いだったのか? 十年もの戦いの結果、何が得られたのか? ..将軍家内の対立に加えて、有力諸大名の 内情が適切に描かれて 面白い。 「室町無頼」の骨皮道賢もさりげなく 登場し 歴史好きにはたまらない本に なっている。2017/05/07
岡本
315
話題作をようやく読了。あとがきで応仁の乱は第一次世界大戦の様、と書いてあったが実に言い得て妙。当事者たちの意に反してだらだらと続いたんだな、と。普段は主に戦国時代を読むので応仁の乱は知っておきたいと思いつつも人物がイマイチ覚えられず読み勧めるのに苦労した。しかし一般的に分かりにくい応仁の乱を京以外から視点を絞って解説する事で分かりやすくなっているのは良い。2018/04/23
ちくわ
293
久々に大好きな歴史物を読む。応仁の乱=知名度の割に詳細を知る者が少ない一大イベントである。当時の室町幕府は力が弱く畿内(当時で言う天下)ですらまともに統治出来ず、権威と武力と財力が絡み合う主導権争いが各地で頻発する。そして『仁義なき戦い』を地で行く欲望剥き出しの群像劇は応仁の乱で絶頂を迎える事に。そこに至る背景から乱後までが興福寺の僧侶視点で丁寧に描かれ、日本史好きの知的好奇心を存分に満たしてくれる良書であった。不人気だったNHK大河ドラマ『花の乱』も、この本を読んでから観れば違った趣きがあるのかもね。2024/01/06
もりやまたけよし
241
大和国の興福寺のお坊さんの日記に視点を置いて解説されている。そこが新鮮だった。応仁の乱の主要人物の人となりが良く分かりましたが、疲れました。2018/06/05