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内容説明
アメリカの大統領選挙やイギリスEU離脱の国民投票では、私たちが無意識のうちに提供している多くの個人情報が選挙キャンペーンや世論形成に利用された。嘘を混ぜたプロパガンダや個人の不安に直接訴える「マイクロ宣伝」といった、巧妙なサイバー戦略は、近い将来行われるであろう日本の国民投票でも使われるのは間違いない。これらによって醸成されたポピュリズムに私たちはどう抗うのか。欧米での徹底的な取材からデジタル時代の民主主義を考える。 【目次】まえがき/第一章 ビッグデータは監視し、予測し、差別する/第二章 「心理分析」データを使った選挙広告キャンペーン/第三章 ソーシャルメディアは敵か、味方か/第四章 ロシアのサイバー作戦が欧米のポピュリズムを扇動する――ロシアから「ボット」をこめて/第五章 デジタル時代の民主主義/あとがき/主要参考文献
目次
まえがき
第一章 ビッグデータは監視し、予測し、差別する
第二章 「心理分析」データを使った選挙広告キャンペーン
第三章 ソーシャルメディアは敵か、味方か
第四章 ロシアのサイバー作戦が欧米のポピュリズムを扇動する――ロシアから「ボット」をこめて
第五章 デジタル時代の民主主義
あとがき
主要参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
36
最近、アメリカの東海岸やシリコンバレーで働くIT関係者の中には、スマホやタブレットなどを禁止する私学に子どもを通わせたり、夜間はネット接続や寝室での使用を禁止する親が増えているという。それは麻薬の売人が「自分の商品でハイ(のぼせる)にならないようにする」のと同様、子どもには自分たちのつくりだす製品やアプリケーションの使いすぎで毎日「中毒生活」を過ごさせたくはない、選ばれた良書の読書に励み、自制心を養うよう教育したい、ということらしい。/あー!!2018/07/14
おさむ
34
最近のネットを通じた世界各国の世論形成戦略やIT企業の情報収集方法、ロシア政府による大規模なサイバー作戦などホットな話題をまとめた新書。Amazonのスマートスピーカー、エコーが周辺の会話を録音しているため、殺人事件の証人喚問の対象になったというエピソードは驚きでした。ケンブリッジアナリティカ社は米大統領選挙で一躍、悪名を轟かせましたが、英国のEU離脱の国民投票にも関わっていたとは‥‥。戦争は、市民の抗議活動を活用して広範囲で拡散される「情報撹乱」の非軍事活動によるものに、もうなっているのかも。2018/07/16
501
24
ソーシャルメディアやスマートスピーカーなどのサービスを使用するということは、個人の思想や嗜好、行動パターンをサービスを提供側に渡すということであり、個人情報は個人が想像する以上に多様に大量に収集され分析されるといったことがわかる本。今後ますますIoTが普及し、自動車の自動運転が実用化されはじめるとなると個人情報を収集する手段は増加の一途をたどる。個人情報が収集されるということはどういうことなのかということを知るのはますます重要になってくるのではと思う。2019/01/13
えも
24
本書は様々な事例や学者らの見解を、畳み掛けるように示してきて圧倒される▼SNSによるプロパガンダは、ここまで来ているんですね。トランプ政権も、ロシアも怖いわ~▼とにかく我々は、疑って、別のサイトで真偽を確認して、自分で判断するしかないのでしょうが、検索サイトも各個人の趣味傾向で順番が変えられてるし、かといってもう手放せないしねえ…2018/12/09
ゆみのすけ
19
先日行われた選挙直前。Xに頻繁にあがってきたある政党の情報。その政党を支持しているわけでも、いいねを押したわけでもないのに頻繁にタイムラインで目にする。それで、SNSが選挙に与える影響が気になった。本書はアメリカ、ドイツ、フランスなど欧米諸国の現状を中心にSNSがどのような影響を与えているかが書かれていた。普段何気なく押している「いいね」から知らぬ間に個人情報が集められ、アメリカの選挙戦では個人にターゲットを絞り、情報が送られていた。情報に先導される形で個人の意思が操られている社会。恐ろしい。2025/08/11