内容説明
巡業先の広島の古刹で変死した、歌舞伎俳優・浅尾当次。その報を竹野記者から受けた雅楽は、親友である当次の死に疑問を持つ。一方、女子高校生の仲宮ふみ子は、修学旅行で当次の亡くなった古刹を訪れていた。数年後、ふみ子は、当次の長男・当太郎と運命的に出会う――著者の初長編『松風の記憶』。美しい演出家未亡人と若き劇団員が絡み合う、劇団ツバメ座で起こったふしぎな事件の真相を、竹野記者の手記のみから雅楽が推理する『第三の演出者』。戸板康二が遺した雅楽もの長編を完全収録。資料も充実の《中村雅楽探偵全集》シリーズ最終巻。【収録作】「松風の記憶」/「第三の演出者」/中村雅楽エッセイ=戸板康二/徳間ノベルズ版『松風の記憶』 あとがき=戸板康二/講談社文庫版『松風の記憶』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ribes triste
15
中村雅楽探偵全集5巻。長編「松風の記憶」の重厚さ。歪な愛がが時間の中で静かに悲劇を醸成してゆく。圧巻でした。終わってしまうのが、残念で積読本にしていた最終巻をようやく読むことが出来ました。シリーズの中で、人生や老いと向き合う雅楽の姿も心に沁みます。また最初から読み直そうと思いました。2024/02/24
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
15
歌舞伎役者中村雅楽の推理、シリーズ5作目。表題作は、犯人が誰かよりも犯行が起きるまでの経緯を読ませる中編。その次の作品は、事件の起きた劇団関係者への聞き書きを読んだ雅楽の推理。その後は、作者戸板康二さんが、あちこちに書いたエッセイをまとめてある。2015/05/26
きら
4
読んでみて、長編だったので、びっくり。でも正直、表題にもなってる、『松風の記憶』はイマイチ……。 次の『第三の演出者』は、私が『藪の中』の構成の小説が好きなのもあって、楽しめました。2020/02/03
いちはじめ
3
中村雅楽探偵全集最終巻。二つの長篇とミステリ関係のエッセイを収録。やはり雅楽は短篇向きの探偵なのかなと思う2007/12/07
KAZY
2
表題作ともう1篇、中村雅楽ものの長編(中編くらいの長さ)。それに、主に著者が小説を書き始めるきっかけとなった江戸川乱歩とのことや、久保田万太郎のことを綴ったエッセイ。短編より読みやすく感じたのは、短編では既知のこととして省略せざるを得ない演劇界の常識とか背景が描かれているからか。こっちが慣れてきたからということかもしれないが(^^; 比較的初期の作品ということで古さは感じるものの面白く読んだ。2015/01/30
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