集英社単行本<br> クワガタムシが語る生物多様性

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集英社単行本
クワガタムシが語る生物多様性

  • ISBN:9784420310451

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内容説明

森林破壊、生物の乱獲、外来生物の登場、感染症の流行──これらの要因はすべて人間の経済活動にあります。地球上には未発見も含めて3000万~1億種の生物が存在していますが、人間の活動により1年間に約3000~3万種が滅びつつあるとされており、生物多様性が失われれば、人間も生きていくことはできません。外来侵入生物の研究者である著者が、興味のつきない研究エピソードとともに生物多様性の重要性について語る1冊。紙の書籍版刊行から8年目を迎え、巻末に追補事項を掲載!

目次

プロローグ
第1章 「生物多様性」とは何か?
第2章 生物多様性が危ない
第3章 クワガタムシが語る生物多様性
第4章 マルハナバチが語る生物多様性
第5章 ミジンコが語る生物多様性
第6章 ダニが語る生物多様性
第7章 カエルが語る生物多様性
エピローグ
電子書籍版 追補(二〇一八年)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

14
本書が出版された当時は生物多様性という概念自体がほとんど浸透しておらず、まず生物多様性の基本的な考え方を紹介した後に、クワガタやダニ、ミジンコなど具体的な生物から多様性保護やリスク評価の話に進んでいく。生物への愛着あふれる語り口と真剣な問題意識が両立した良質の入門書。日本のヒラタクワガタと東南アジアのヒラタクワガタでは、交雑可能な同じ種であるにも関わらず遺伝的には500万年の隔たりがあり、これは人間とチンパンジーの隔たりに匹敵する、という雄大なスケールから遺伝子の多様性を学べたり話が面白くてわかりやすい本2017/07/17

shion

9
生物多様性とはどういうことか、何故大切なのかがよくわかる。人間が今後も長く自然と共生しようというより、目先の利益や欲望で自然を搾取するやり方で問題が次々発生しているようで、ため息が出る。「生物多様性にとって人間の存在は不要もしくは有害な存在にすぎないが、人間にとって生物多様性はなくてはならない」。生命に不可欠な酸素や水の供給、農作物や医薬品の素材となる遺伝子資源、美しい風景なども自然生態系あってのもの。まずは、生物多様性のことを多くの人が知るということが大切なのではないかと思う。2013/12/02

7
五箇公一さん著の「クワガタムシが語る生物多様性」を読み終えました。一般向けに書かれた生物多様性の本です。生物多様性の重要性を説くために書かれた本で、その具体的なケースとして著者が研究に携わったクワガタムシ、マルハナバチ、ミジンコ、ダニ、カエルに関することが書かれています。クワガタムシを飼育する文化が日本特有のものだそうです。それに関して著者が調べて考えたことが書かれていたのが面白かったです。2024/01/01

Sanchai

4
著者ご本人のトークもそうだったが、書き方も非常にわかりやすく、読みやすい本だった。これまでの研究でわかったことを易しく説明し、生物多様性の何が問題なのか、小中高生でも理解できるよううまくまとめておられる。時々挿入されているユーモアもなかなか秀逸。お薦めの1冊である。2011/05/01

メルセ・ひすい

4
14-28 赤32 中・高生用テキスト 「生物多様性」概念の普及の為の五箇活 人類メソポタミア以来の耕種農業から人口爆発 地球の重荷・悲鳴に 答えは? 無い。イヤ、地球様は冷視か。恐竜・爬虫類の滅亡は巨大隕石で一瞬だが…=人類の末路への暴走は低速だが着実かつ確実。総論賛成各論反対では甘いんじゃないの?? 生物多様性の保全が国際的課題になっている。生物多様性の概念から、クワガタ虫が語る生物多様性など、著者自身の研究を通してみた生物多様性にからむ具体的な物語を紹介。生物多様性を身近に感じられる読み物。   2010/12/12

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