内容説明
数学しか取り柄がない高校生の健二は、憧れの先輩・夏希に、婚約者のふりをするバイトを依頼される。一緒に向かった先輩の実家は田舎の大家族で!? 新しい家族の絆を描く熱くてやさしい夏の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
165
本帯に「最優秀アニメーション作品賞」とあったので、思わず買って、読んだがさすがに軽い。題材もアバターとかOZとか今時の設定で それなりに軽く読める。夏希の曾祖母の人物造形がよい。OZの世界と現実世界との対比も 微妙。2010/10/09
マーム
161
この物語は、少年と少女の物語であるとともに、今や失われつつある陣内家のような大家族と、核家族化し、両親が共働きで普段あまり肉親と接する機会のない主人公健二との出会いの物語とも言えるでしょう。陣内家のような大家族の中に身を置くと、正直その人間関係には煩わしさを感じるだろうなと思いつつも、インターネット上の仮想世界OZが人々の生活のあらゆる部分に入り込み、世界を席捲している状況下で、生身の人と人とをつなぐネットワークのすばらしさ、自分ができることを一生懸命に行うことの大切さを感じさせる作品だと再評価しました。2010/11/08
皐月
126
数学しか取り柄がない高校生の健二は、憧れの先輩・夏希に、婚約者のふりをするバイトを依頼される。一緒に向かった先輩の実家は田舎の大家族で!?謎の数列が健二の元にメアドに届き、数学が得意な健二は、夢中で答えを導きだすが、これが世界を巻き込んだ事件に発展することに。「私を解いて」って文面があやしいだろう。夏希の花札のシーンは心にぐっときた。「こいこい」が連発する時はすっきりした。健二が鼻血を出しながらも暗号解読したりする場面はすごい。不器用な夏希と健二の2人を温かく見守る家族が良いな。 2018/08/27
優希
117
面白かったです。バーチャル世界でのバトルの疾走感がたまりません。ネットの世界に対して日本の古き良き風物詩とのコントラストが鮮やかでした。親戚が集まった優しい時間、世界が一変し、疾走感のあるバトル。一変した世界を救おうと健二と夏希、親戚一同が立ち上がるのが熱いです。家族の絆っていいですね。健二と夏希のほのかな恋愛も微笑ましいです。陣内家と健二の視点のみで描かれているので、映画を見ていなくても物語に入って行けました。映画も見たいと思います。2015/08/08
おかむー
111
うわ不覚、映画は見たのでストーリーは十分わかってたのにクライマックスではハナをすすりまくりでなかされてしまったよ。『絶品よくできました』。もともと映画の出来が十分よいのに加えて、状況や背景登場人物の心情がしっかり補足されているのでノベライズというよりも完全版といって過言ではないですね。状況からすれば世界規模の危機なのだけれど、あえて陣内家と主人公・健二のみからの視点で描かれている構成が秀逸。クライマックス「ナツキへ、ボクのアカウントを使ってください」のシーンは文章で読んでも鳥肌ものでしたよ。2015/06/27