内容説明
人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAIを遺して――。高校生の息子・輔(たすく)は、探偵のAI・相以(あい)とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相(いあ)を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは!? 大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
270
5篇の短篇。各話の章タイトルも良いのよ。AIやロボットを中心とした技術の思考実験や問題を端的に表した言葉が盛り込まれているのね( ¨̮ )。AIならではのロジックで問題を解決したり、AIだからこそ誤ってしまったりするのかなと思ったよ。でもね、どうもAIやコンピュータ周りの事を勘違いされている様に思えて。作家がどんな設定を持ち込んで構成しても良いと思って居る積もりではいるのですけど、なんかずれていて、それが気になり過ぎましてね。ストーリーが全然あたまに入らないのよ。ベイズの定理なんだよなぁ。2023/04/22
麦ちゃんの下僕
162
双子のAIである“探偵”相以と“犯人”以相の対決を描いた、全5話の連作短編集。なかなかブラックな展開に息を呑みつつも、言葉遊びを軸としたユーモアセンスに笑わされますし、エラリー・クイーンや金田一少年・名探偵コナンなどの要素も取り入れられているので、とても読みやすいですね!相以と以相が、人工知能特有の問題でそれぞれ失敗しながらも、学習し成長していく姿がとても面白かったです!そして、早坂作品には珍しく(!?)映像化(アニメ化)に向いている作品だなぁ~と思いました!続けて『犯人IA~』を読みたいと思います。2020/05/03
Aya Murakami
140
ツイッターで存在を知り、書店で平積みされているのを購入して読みました。 フィクションにでてくるAIはみな可愛らしい性格をしていますが、本作のAI探偵相以も読み進めるごとに可愛らしい性格を現していきました。中国語の部屋編で自信過剰だった(過去形)と白状したところとか…。自信過剰だったAIが現実世界の人間関係(本作では人間の心を理解するというべきか)に苦労して自分のふがいなさを嘆くところは大学卒業したての新入社員そのものです。やっぱりカワイイ。2018/06/12
Aya Murakami
123
新潮文庫next5周年で再読 再読していろいろたくさんの細かいところに気付きました。武君野村(主人公の母の生まれ故郷且つ本作の推理の舞台)が不気味の谷だったり中国語の部屋に閉じ込められた人の服が前後ろ逆だったり…。なんだかトリック臭あふれていてこの作者さんの他の作品も乱読してみたい気分に駆られました。 そしてリラちゃんのラストは悲しい。リラちゃんの愛と怒り…たぶん本物ですよ。2019/09/19
ナイスネイチャ
117
AIで作られた仮想キャラの探偵と犯人が登場人物の推理小説でした。文面は軽い感じなんですが未来の人工知能弊害を織り混ぜたりして結構知識として為になった。続編も積読なので楽しみ。2019/10/31
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