内容説明
温かな涙を誘う、思い出のおやつ。
祖母の死を機に田舎から街に引っ越して、父親と弟との三人暮らしを始めた女子高生の香月。だが、転校先では友達ができず、母親代わりの家事もうまくこなせず、父親ともぎくしゃくして、居場所を見つけられないまま、寂しい気持ちを抱えて毎日を過ごしている。
ある日、隣の席にすわる男子生徒のノートを間違えて持ち帰った香月は、そこにいくつものデザートレシピが手書きされているのを見ておどろく。「あの間宮くんが、ケーキ作り?」
クラスの中心人物である間宮立海は、いかにも都会的な洗練された男の子。気後れするほど苦手なタイプの彼が、誰にも内緒で菓子作りをしているらしい。立海の意外な趣味を知った香月は、秘密を守る代わりに、菓子作りを教えてほしいと持ちかける。渋々ながらも、立海は香月の師匠役を引き受けてくれることに。
夜だけ開く喫茶店でデザート作りをする立海を手伝いながら、懐かしい祖母のおやつを思い出す香月。ホットケーキ、プリン、かぼちゃぜんざい。誰かに認められるために、自分なりの味を作ろうと気負うけれど……。
思い出の味は、きっと幸せの味。切なくて優しい青春ストーリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
58
読んでいて泣きそうになった。主人公の女子高生・香月のどうしようもない孤独。そして彼女を学校につなぎとめる鍵となる同級生の立海。題名から想像できる物語の上を行く作品で、読んでよかったなと心から思えた。ふたりのその後が気になる。2018/06/05
よっち
34
祖母の死を機に田舎から街に引っ越して、父親と弟との三人暮らしを始めた女子高生の香月。しかし学校でも家でもうまく行かず居場所を見つけられない彼女が、偶然隣の席の男の子・立海がケーキ好きなことを知り、ケーキ作りを教えてもらう青春小説。不器用だけど周囲に頼りたくない。そんな頑固な香月が祖母のデザートに挑戦するも挫折する日々。上手くいかない状況続きで、手を差し伸べてくれる周囲を拒絶する彼女の頑なさにはやや頑固過ぎるかなあと苦笑いでしたけど、少しずつでも変わっていける兆しが見えてきた結末にはちょっとほっとしました。2018/07/02
吊り太郎
30
祖母の死をきっかけに、父親と弟の風希と香月で奈良へと引っ越して来た!香月は、転校先の高校に馴染めず、クラスメイトである間宮のスイーツレシピを書いたノートを間違えて持ちかえり、返却後から物語が展開される!祖母を亡くした事に責任を感じまた、弟のおばあちゃんの作ったおやつを食べたいとせがむ弟。胸に秘めた思いを、打ち明けられず後悔の念から、自分で出来る事は何かとか香月は、思い悩むが父から反対され勉強する様に釘を刺される。学校にも馴染めず自分の居場所を探し続ける香月。スイーツ作りを通して人と成長する青春ストーリー2018/09/19
Tadashi_N
25
両立男子と非料理女子の繋がりの話。恋愛になるのか?2021/12/26
Maru
16
娘からの誕生日プレゼント2018/06/17
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