内容説明
「黒田左少将どのの猿楽の催しに貴公をお連れしたいのだが」。公儀目付役・稲生正英の言葉に多田文治郎は耳を疑った。家出娘の相談で稲生邸を訪れたのだが、その話が終わるや否や乞われたのは、大大名の催す祝儀能へ同道。幽玄の舞台に胸躍らせる文治郎だったが、晴れの舞台で彼が見たものとはいったい……? 瞠目の時代ミステリ、第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
101
多田文治郎推理帖2作目。江戸時代版クローズドサークルだった前作と比べて、地道に解決へと導くのも味があってよい♪舞台となる能楽について興味深く楽しめたが、これまで全く知らずにいた現実がもどかしくもある…限られた時間や行動範囲の中で、はたして誰が凶行し得るのか?巻頭の見取図片手に、犯行経路の推理を必死に追うのも面白い。何かあると深読みし過ぎて検討ハズレなのはご愛嬌(笑)被害者の恨みを買う人物像故か、明かされる真相はせつない…まずは流派の継承への想いを募りながら、読み終わり「謎解く鍵は人の心よ…」と独りごちる。2018/09/20
aquamarine
77
シリーズ2作目。今回多田文治郎が向き合うのは能楽の舞台の最中に起こった殺人事件。前作のような孤島で過去の出来事をすべて追うのと違って、足を運んでひとつひとつ周りを固めてトリックを暴き出し、犯人を探し出します。時代小説でありながらきちんとした本格ミステリなのは前作同様です。能楽の舞台は興味深く、前作の登場人物もいて読みやすかったです。実在の人物をうまく使われていると読後知りました。わかっていなくても楽しめましたが、歴史が苦手でちゃんと勉強してこなかったことをこういう時いつも後悔します。2018/08/09
サケ太
11
多田文治郎推理帖シリーズ。前巻から変わらず丁寧な描写で、真実に至るまでの過程が描かれていて面白い。今回は能舞台を行っている最中の殺人。文治郎が一歩一歩真実に迫り、更にその奥にあるものを見つけていく。淡々とした描写は好き嫌い分かれるかも知れないが、個人的には読みやすくて好き。2018/06/12
蕭白
5
悪くなかったです。2026/03/01
ryohey_novels
5
1作目の猿島編とかべると明らかに見劣りする。師弟の入れ替わりは容易に想像ができるし、淡々とインタビューしていったらたどり着いたという感じ。前作はまさに愛と怨みの苛烈さを理解できたが、本作は借金取りへの逆恨みと恋の縺れの私怨のみ。文治郎はクセがなく好人物なのだが、ゆえに物語に起伏を生まないと感じた。世の名探偵が破天荒である意味がよく理解できる。トリックに江戸らしさがなかったのも残念なところ。この時代しか書けない人間関係やトリックを3作目には期待したい。2025/08/29
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