内容説明
22年前に刊行された哲学の名対談を完全復刊。「稀有の体系的哲学者」と「サブ・カルャーの旗手を任じる作家」という異色のふたりが、いかに生きるか、そして哲学に何ができるかという問いをめぐって、真摯な問答を交わした名著。本書に漲る異様な気迫は、両者が思索の場で真剣勝負をしているところから生まれたものだ。難解な哲学を、問答によってやさしく、しかし体系的に読める、ロングセラーにして哲学入門の必読書。
目次より
現代哲学とは何か
同時代の哲学
マルクス主義の行く方
現代哲学のたたかい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
15
単行本は1978年、文庫は96年刊行。作家五木寛之と哲学者廣松渉の対談。ファシズムについて考えるために再読した。廣松渉が30年代の思想状況について説明する。ファシズムは、思想的にみて「そう馬鹿にできるようなもの」ではない。ハイデッガーをはじめナチスにシンパシーを持った哲学者たち、イタリアのファシズムに荷担したクローチェ、ロッコに言及。コミンテルンはファシズムを、独占資本主義が自由主義を投げ捨て死にものぐるいの独裁に乗り出した―と規定。だが、コミンテルンが思想的にファシズムを乗り越えた訳ではない。2024/07/15
Happy Like a Honeybee
7
哲学には、飢えた子や熟れた娘の腹をふくらますことはできない。 スターリン、ヒトラー、ドゴールを手玉に取ったフェルディナンド・ポルシェ。戦前派の共産運動活動家は卵巣を抜いて、挺身した紡績工もいた。 構造主義のエピソード、来日直後のレヴィ・ストロースの話はリアリティがある。音楽は無意識のうちに、感性や見解を変化させるばかりでなく、社会体制や法律に反抗心まで育ててしまうとは的を得ている。2017/02/18
amanon
5
四半世紀ぶりの再読。初読の時は「まあ、こんなもんかな」という印象だったのだが、今回読み返してみて、思っていた以上に内容が多岐に渡っているのにちょっとびっくり。廣松氏がキリスト教にかなり突っ込んで言及しているのには、特に驚かされた。それはともかくとして、四十年以上も前の時点ですでに時代の閉塞感が感じられていたのに、その感覚は基本打破されることなく、その後も延々と続いてきて、今日ではその当時では考えられなかった程の終末観さえ感じられるということに何とも言えない感慨を覚える。それからマルクス持ち上げられ過ぎ。2021/10/03
鴨長石
2
40年以上前の対談だが、現在でも通用する哲学入門書といえる。現代哲学の柱はマルクス主義・実存主義・分析哲学とし、その中で構造主義を含めて構造と実体を考えるという整理は明快だ。特に廣松によってマルクスの位置づけがはっきりと示されているのが私にとっては良い道案内となった。また、マッハの哲学における存在意義は今まであまり考えたことがなく、興味深かった。2021/08/26
naoto
0
哲学書としてはかなり平易なんだろうなぁと思うんだけど。対談だし。でもやっぱり、ようかわらんね。どうもマルクスやレーニンには共感してるらしい。そこらへんが、どうにもついていきにくい。多分自分は哲学に向いてないんだろうな。2017/09/15
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