内容説明
実際の調査の質は、はっきりいって玉石混淆である。調査とはいえない調査や、調査まがいの商行為も目立つ。また、最終章で述べるように、調査自体がやりにくくなってきており、そのことが調査の質の低下を招いている。このままでは、社会調査は、調査の質低下→調査不信拡大→調査非協力増大→調査の質低下→……、という悪循環を脱することができなくなる。
調査者の側では、与えられた環境の中でも、質の維持・向上に努力すべきである。同時に、調査結果を受け取る側でも、調査=科学的という迷信(?)の下に無条件に鵜呑みにするのでも、逆に「あてにならないもの」としてまったく無視するのでもなく、それぞれの調査の価値を正しく評価することが必要だろう。(「はじめに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
29
#説明歌 #短歌 影響をあたえる測定法内部関与影響与えぬ外部観察 部分的原理原則無説明社会構造学術研究2017/03/17
SQT
2
調査法についてのおさらい。基礎的な内容だけど、忘れているところや曖昧になっているところもあったので役に立った。社会調査は学術的なものに限らず、企業がやるものも含んだ概念。調査者の倫理は重要で、被調査者との間の非対称的な関係はよく議論されるが、上司からの命令で調査を仕方なくしている場合だったりすると、調査者の特権が云々と言われるのは嫌だろうなぁと思う。いろいろ実践するのが大変そうだなぁというのはこの手の本を読むたびに思います2018/01/10
客野
1
あまり面白くない2017/06/13
フルカラフル
0
社会調査は、あくまで材料であって結果ではない。だから、その役割の大切さを見過ごされがちである。 しかし、社会問題は社会調査によって発見された。今日当たり前のように使われている、何かしらのデータも、膨大な費用のもとに誰かが地道な調査をして得たものだ。今の経済活動も、社会調査が大きな基盤である。 そう考えて、今まで気にも留めていなかった社会調査に、ちょっと申し訳なくなった。2018/10/26