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内容説明
ワーキングプア、格差拡大、正社員の過重労働、リストラ不安、税・社会保障費の負担増など、日本人の「不安」は、近年、ますます増大し、多様化している。そして、若者から高齢者まで身を寄せ合い、息を詰めるように暮らしているのが、日本人の現状だ。「自立」できない…、多くの日本人が抱えている本質的な問題といえよう。こうした日本人の悩みを近代日本の始まりから学び直し、緩やかにときほぐすことが本書の主題である。
目次
第一章 現代人が直面している「困難」の正体
第二章 自立への一歩―福沢諭吉に近代日本の出発を学ぶ
第三章 経済的自立と学問―福沢的「向上心」VS.漱石的「覚悟」
第四章 「いい仕事」と欲望装置と「自分らしさ」
第五章 弱者化する日本人
第六章 自立した個人と共同体の再生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月夜乃 海花
8
図書館本。そもそも書かれたのがほぼ10年前だから、そんなこと言われても…。 最近の若者は〜、出た!この言葉! という感じで頭に入りませんでした。8割読んで読むのを断念。
shishi
5
[B+]自立とは何かを諭吉(「経済的自立!」)と漱石(「精神的自立!」)に尋ね、自立が難しい「弱者」をキーワードに現代社会を、消費社会論、若者論、制度論等を使って論じている。日本特有の人間関係、空気なども踏まえて結論に至っている。最近、流行りの「貧困」「若者」「消費」論に乗ったっぽい内容。消費経済から互助経済へという指摘には納得。しかし、個人的には新しい発見はあまりなかった。既読感の溢れる新書だった。2013/12/22
うーさん
3
タイトルは詐欺。日本全体にただよう閉塞感打ち破る方法を、「近代」から学ぼうとしている。具体的な提言がもう少し欲しかったように思う。2014/03/17
じょうぶなことり
3
いつまでも自立できないでいる自分への歯がゆさから、なんとなく手に取っただけの本だったが、読みやすいのに密度の濃い文章で、思った以上に面白かったし為になった。高所から見下ろして書かれた文章ではなく、かといって自立できないでいる我々に感情移入しすぎることもなく、客観的かつ冷静な立場から論が進められるので、素直に著者の意見に耳を傾けることができる。もう一度最初から読み直して、これから自分がどう生きるべきか、改めて考えてみたいと思う。2011/05/04
ゆきのすけ
3
「褒めて育てる」って幻想かもしれない、と自分の見識を見直すきっかけができた。叱るだけでもだめで、褒めるだけでもだめってことだよね。「上司にしかられると『ボクは褒められて伸びるタイプなんです』と言い出すやつ若者さえいる。しかし『伸びた結果が、その程度か』という現実があるから、文句を言われているのである。」叱られたときに言っちゃぁあかんでしょう。笑 こんな言い訳しなくても生き抜く力がある、そんな自立した人間になろうと意識が高まった。いろんな本で引用元に取り上げられてる『福翁自伝』、一度通読しておこうかな。2011/04/11