講談社現代新書 甲骨文字の読み方

著者名：落合淳思【著】

講談社（2018/05発売）

• ISBN：9784062879057

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

三千年前の中国古代王朝・殷の社会を今に伝える甲骨文字。牛の肩甲骨や亀の甲羅に刻まれた、三千年以上昔の文字は、なにを伝えようとしているのでしょうか。文字の解読から文章の読み方まで、豊富な問題に平易かつ丁寧な解説を施した、本邦初の甲骨文字の入門書。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

目次

第1章　甲骨文字とはなにか
第2章　入門編 文字を読む
第3章　中級編 難しい文字を読む
第4章　文法編 甲骨文字の文章のしくみ
第5章　応用編 文章の解説
解読のための甲骨文字辞典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[BIN]

甲骨文字入門。よくある甲骨文字の本はこの文字は今の漢字で言うとなにがしと言うことと語源だけだが、この本では甲骨文の読み方まで教えてくれている。基本は漢文と同じだけどちょっとしたルールがある。甲骨文字の問題もあり、ちょっとしたパズルみたいなもんで、後は想像力が必要でしたが面白いものでした。左右反転したバージョンがあるのはなかなかトリッキー。私の名前は簡単な漢字ばかりなので甲骨文字で書けそう（巻末の甲骨文字辞典にはなかったが、白川静さんの「常用字解」にはあったので書けました）。

2020/06/22

[みのくま]

本書は甲骨文字読解の問題が出題されるなど、かなり実践的な内容となっている。個人的には「甲骨文字とは？」という点について知りたかったので、少々当てが外れたきらいがあるがそれでも興味深く読んだ。甲骨文字は現存最古であるが文法などが整い過ぎており最古ではないという点や、甲骨占卜は亀裂により吉兆を占い、その記録して甲骨文字が残っているという点はかなり面白い。甲骨文字はかなりダイレクトに漢字に引き継がれており、当然甲骨文字にあった呪術的な要素も同様に引き継がれていると見てよいだろう。漢字の持つ呪術性について考えたい

2023/04/25

[じょあん]

丁寧な解説付きの甲骨文字入門問題集といった趣きのある一冊。後半はなかなか問題の難度が高い。

2025/04/14

[斑入り山吹]

本高砂屋のお菓子をいただいたらその和菓子用の包装紙が素敵だった。綿貫宏介氏の金文だかの字体が素敵で、どうしても読みたくなってしまったのだ。それでこの本をまた開いた。前回読んだときは後半は流してしまったところもあったが、今回はかなり真剣に読んだよ。でも包装紙はまだ読めないものもある。金文、篆書も知りたくなってしまった。　で、再読してどうだったか、というと、落合氏の突き抜けた考え方が楽しい、ということ。はっきりいうので敵もいそうだけどね。

2010/02/10

[なをみん]

数時間でお手軽になんとなく甲骨文字が読めるような気分になって、なんとなく古代の知恵の空気を吸って賢くなった良い気分で、見れば見るほど魅かれる形というか模様というか線というか、覚えられなくても眺めているだけで癒されるかんじ。呪術的魔術的ご利益を感じる気分というかなんというか、西洋人が漢字のタトゥーを入れたくなる気分がちょっとわかった気がする。義務教育での漢文の授業も役に立ったかも。実は細工されてたという「甲骨占いの現実」もちょっと良い話。

2024/07/11