内容説明
十一歳で敗戦をむかえ、名作ドラマの数々を世に届けた脚本家は現在の日本で何を見、何を思っているのか。エッセイの名手でもある山田太一がおくる、心に沁みる最新エッセイ集。語り下ろしインタビュー付。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
26
逝去された山田太一さんの雑文集。雑誌や週刊誌掲載のエッセイも良いが、書評の方が心に残る。読んだことがある本もあるので、「そうだよなぁ」とつい頷いてしまう。ジュンパ・ラヒリ、渡辺一史、ベルンハルト・シュリンク、中野翠‥‥。驚きは、文豪、山本周五郎について綴った「三つほどのこと」。第1回山本周五郎賞の受賞者ながら、受賞が決まるまで一度も読んだことがなかった、など初見のエピソードが並ぶ。巻末のインタビューで、山田さんはこう問いかける。「時代がどんどん進歩していくのはすごく変だと思いませんか?」至極共感する。2024/11/07
ひなきち
25
大好きな山田太一氏の、随筆集。繊細で複雑な人間心理を描かれる脚本家だけあって、同じ「とき」を過ごす日々のなかで、思いもよらない視点に、思わずハッとなる。改めて得難い人物であり、日本の宝のような存在であると実感した。身体をご自愛しながら、穏やかな老後を過ごして頂きたいです。2018/05/17
団塊シニア
12
「新春の願い」のなかで戦争について言及してる、小沢昭一氏のインタビュー記事、戦争の悲惨さ、戦争を外交で逃げ切ることを政治家に望む姿勢、心から共感する内容である。2023/11/18
えいとうっど
2
極めて個人的なお気に入り度合い:★★★★☆4点 50代の私も会社組織の中では相当にアナクロニズムを生きているが、山田さんのように『老いの実存』を見つめるまでには至らない…。2019/12/09
青色
2
なんか表紙とタイトルに惹かれて読んだ。ご飯を記録してる話が好き。2018/04/27