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内容説明
Googleが知ってる“あなた”は誰?
検索履歴やスマホの位置情報から自動的に生成され、
刻々と変貌しながらデジタル空間をさまよう「データの幽霊」
(=デジタル・アイデンティティー)の正体に迫る!
アルゴリズム解析を前にすると、「私たちが何者なのか?」という問いは、「コンピューターは私たちを何者だと言っているか?」という問いに等しくなる。アルゴリズムによって「セレブリティー」とされたり「信用できない」とされたりするのと同じように、生身の個人としての自分を無視された私たちは、自らの生をコントロールできなくなる……。[序章より]
……著者は述べる。「私たちは、私たちの実在がもっぱらデータである世界に生きているわけではなく、私たちの実在がデータによって拡張される世界に生きている。つまり、私たちはすでにデータでできている。…テクノロジー派未来主義者の言うシンギュラリティーは決して訪れない。なぜなら、すでにここにあるからだ。」
肉体の死を超えて、自我や意識がサイバー空間の中で「生き続ける」というファンタジーは、すでにデータとなって漂流している私たち自身の迷妄である。ひとつだけ確かなことは、私たちが実在の死を迎えても、私たちの個人データはサイバー空間を漂い続けるということだ。[武邑光裕氏・解説より]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
ミンスキーは、幼児は長い時間をかけて複数の自己モデルを作り、それらを目標設定して自己規律を課しながら近づいていくという。自己とは生命体においては長期計画的な目標なのである。一方、アルゴリズムは検索履歴や位置情報の数値から、それ「らしさ」を一瞬のうちに計算し、「あなた」という確率的自己モデルを提示する。私はそれを受け入れるべきなのか?監視社会とデジタル市民権が専門である著者は、新たな権力となったプラットフォーマーに対抗するメタデータの「ぼかし」戦略を読者に提案する。我々自身が解読困難な暗号となりうるのだ。2018/10/05
たぬき
1
著者のelseの考えだと、この邦訳タイトルは誤解を招くのでは? 生政治論は、雑に言うと断絶よりも連続性を強調して微視的な権力を思考するものだが、その難しさが、まとめ部の、シンギュラリティはおこらない、のあたりのゆっくり読まないとしづらい記述によく出ている。 訳も難しかったと思うが原文も見てみたい。2020/07/10